女優の芦田愛菜と大竹しのぶが27日、都内で行われた映画「岬のマヨイガ」初日舞台あいさつに登壇した。子役の粟野咲莉と川面真也監督も出席。登壇者たちは、過去の夏休みの思い出などを語った。

　主人公のユイを演じる芦田は、MCから「同作で影響を受けたシーン」を聞かれると「3人でみそおにぎりを食べるシーンです。そのシーンはくだらない話で盛り上がって、笑い合う。その姿が小さな幸せなんだな。そういう幸せが身近にある日常が素敵だとあらためて実感しました」と回答。不思議なおばあさん・キワ役の大竹は「2人のまったく血のつながりのない子どもたちを育てる役なんですが、何があっても『大丈夫だあ』とどんと構えているところがすごく好きで、こんなふうに頼れるおばあちゃんになれたらいいと思いました」と自身の役について語りつつ、「私とは重ならないです」とつぶやき、笑いを誘った。

　同作は、柏葉幸子原作小説「岬のマヨイガ」（講談社）の長編アニメーション映画化作品。いるべき場所を見失った17歳の少女と声を失った8歳の女の子がたどりついた少し不思議な家“マヨイガ”が舞台となり、血のつながりがない新しい家族たちとの、不思議で温かい共同生活を描いたファンタジー作品となっている。

　同作にちなんで、MCから「皆さんにとって家族とは」という質問があがると、芦田は「家族はいつも一緒にそばにいてくれて、私のことを支えてくれる。私にとって安心できるというか、ほっとできる存在だと思います。家族がいてくれるから新しいことを挑戦することができる」としっかりとした受け答え。大竹は「私はたまたま家族になったという考え方をしています」と率直に明かしつつ、「子どももいつかは旅立っていく存在だと思っています。でもこういう（コロナ禍）時期に触れ合えるのは、家族以外にない。考えさせられますね。私自身、3年前に母を失いまして、家族の形態に変化が出てきた。人を思う気持ちは形態が変わっても大事にしていきたいと思う」としみじみと心境を明かした。

　夏休みの話題になると、芦田は「やっぱり夏といえば、浴衣を着て花火というイメージ。来年はみんなと花火大会みたいなことができればと思います」と望み、大竹は「娘（IMALU）が小学生のときに夏休みの自由研究で心霊スポット巡りをしたいと言って、一緒にやった」振り返り、会場を驚かせた。続けて、「そんなに何も感じなかった。あんまりこういうことをしてはいけないんじゃないか、と娘はまとめていました。写真には何も映ってなかったです」とその結果を伝えていた。

　最後に大竹は「本当にこのような時期に来てくださって感謝します。楽しんでいただければ」と呼びかけ、芦田は「（同作で）何気ない日常に転がっている幸せも素敵だなと思っていただければと思います」と語り、イベントを締めた。

　同作は8月27日から、全国ロードショー。