なぜ「ウイニングイレブン」から「eFootball」に? “新ブランド”に込められた決意
1995年に第1作が発売され、長きにわたって愛されていたKONAMIのサッカーゲーム「ウイニングイレブン」(略称:ウイイレ)が、今秋に「eFootball」として生まれ変わる。高い認知度を誇る「ウイイレ」ではなく、新たなブランド名での出発にトライする理由と込められた思い、そしてゲームとして変化する部分とは。「eFootball」プロデューサーの木村征太郎氏に、さまざまな角度から話を聞いた。
26年間続いた「ウイニングイレブン」の名前から離れる理由とは
1995年に第1作が発売され、長きにわたって愛されていたKONAMIのサッカーゲーム「ウイニングイレブン」(略称:ウイイレ)が、今秋に「eFootball」として生まれ変わる。高い認知度を誇る「ウイイレ」ではなく、新たなブランド名での出発にトライする理由と込められた思い、そしてゲームとして変化する部分とは。「eFootball」プロデューサーの木村征太郎氏に、さまざまな角度から話を聞いた。(取材・構成=片村光博)
――誰もが知るタイトルである「ウイニングイレブン」から「eFootball」へのリブランディングを決断されました。どのような理由があったのでしょうか。
「2年ほど前から、PlayStation 5やXbox Series X|Sなど家庭用ゲームの次世代機への移行に合わせて『新しいサッカーゲームを作ろう』というプロジェクトは動いていました。その製作過程で、世の中にはモバイルのアプリを含めたフリー・トゥ・プレイ(基本無料)の人気タイトルも多く出てきました。ゲームは基本無料で遊び、アイテム課金制という市場環境になり、何かを大きく変えていくタイミングだと考えていました。
また、われわれはeスポーツにも力を入れており、その規模を大きくしていきたいと考えていました。本作から搭載する新エンジンとビジネスモデルの変更、そしてeスポーツのプラットフォーム。これらの大きな変化が合わさると、今までのウイニングイレブンの継続ではなく、単なる続編以上の大きな変化になります。だからこそ、海外を含めて『eFootball』という新ブランドに変更しました。変化に対する、われわれの決意の表れですね」
――とはいえ、多くのファンに親しまれてきた「ウイイレ」という名前から離れることには、内外から大きな反応があったかと思います。
「もちろん、SNSを含めていろいろな声をいただいています。やはり『寂しい』という声が多く、私自身も同じように思っています。今年で26年目となるシリーズですし、それだけ長い時間をかけて育ててきたブランドなので、離れることへの抵抗はありました。ただ、前向きな理由での変化ということもあり、内部的にはあまりマイナスの声が上がらなかったですね」
――その中で新たな看板となる「eFootball」というタイトルには、どのような思いが込められているのですか?
「フットボールにエレクトロニックの“e”が付いて、デジタルなサッカー、すなわちサッカーゲームですね。サッカーゲームを表すものとしては、シンプルで非常に良いタイトルになったかなと思っていますし、『サッカーゲームを代表するタイトルになりたい』という意味を込めています。そして、『世界でも通用するタイトルに』という狙いもあります」
――日本のファンとしては、「eFootball」に「ウイイレ」のような略称があるのかは気になるところです。
「そうした声は結構いただいていて、『これはどう読むんだ』とも言われるのですが(笑)、現時点ではわれわれから略称を提示することはしないでおく予定です。まずは『eFootball』という新しいブランドをフルネームで覚えてもらいたいと思っています。略称に関しては、自然発生的にお客さんから呼んでいただけるようになればいいかなと考えています。実際にリリースしてからどう呼ばれるかというのは、われわれも楽しみにしています」