窪塚洋介が語るSNSとの付き合い方「毒ばかり吐かずに、楽しんでいくことは大事かな」

19年ぶりにドラマ主演する窪塚洋介【写真:塩見徹】
19年ぶりにドラマ主演する窪塚洋介【写真:塩見徹】

「上も下もない、右も左もない、今、ここしかないんだ」みたいな瞬間に触れられた

 本作では、画面が通常のドラマや映画の横長サイズではなく、スマホの画面に合わせた縦長なったが、演者としてのアプローチはどうだったのか。

「(製作側から)『横移動をあんまりしないで』って言われたんだけど、それを意識しちゃうと、不自然そうに見えたので、共演の河合(優実)ちゃんには意識するのをやめよう、と。そういうことはスタッフに任せようと思いましたね」

 演じたのは、ヒロイン(河合)の引越し先のアパートに住む男カワサキ。自身を「わし」と呼称し、事件に巻き込まれるヒロインを見守るようなナゾめいた存在だ。「別枠にいるみたいな存在で、そういう人物は最近、演じたことがなかったので、楽しそうだな、と思いました。ただ、好き勝手にやっていいわけでもなかったのですが、制約があるからこそ楽しめるということもありました」。

 題名の「上下関係」についてはこう語る。「究極、神様みたいなもの一番上で、じゃあ、一番下は何か。僕らは、強いとか弱いとか、優しいとか厳しいとか、そういう二元性の中で生きているでしょう。だからこそ、自分のことが分かったり、自分のいるポジションが分かる。そんな中で生きているうちに、『上も下もない、右も左もない、今、ここしかないんだ』みたいな瞬間に触れられたような気がする時がある。黒と白の陰陽のマークがあるけれど、いいことの中にも悪いことがあって、悪いことにもいいことがある、だから、上も下もないんだ、というのは20代になる前からの自分の中の大きなキーワードでした」。

 今後もブレずに俳優を続けていく考えだ。「今は、1億総ブロードキャスター、1億総芸能人の時代。だから、プロとして、役者としてできることが光ってこなきゃと思うし、面白く、研ぎ澄まされてなきゃダメ。そういうことを再確認していますね。自分はSNSがある前から、メッセージを発信してきたけど、今は自分自身がメディアになれる時代。そういう可能性に満ちているから、毒ばかり吐かずに、楽しんでいくことは大事かなと思いますね」。出演するメディアや活動場所が変わっても、窪塚はオレ流を貫く。

□窪塚洋介(くぼづか・ようすけ)1979年5月7日生まれ、神奈川県横須賀市出身。95年に日テレ系ドラマ「金田一少年の事件簿」で俳優デビュー。その後、「GTO」「池袋ウエストゲートパーク」などのヒットドラマに出演。2002年、映画「GO」で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を史上最年少で受賞。以降、映画を中心に舞台でも活躍を続ける。17年にはマーティン・スコセッシ監督作「Silence-沈黙-」でハリウッドデビュー。近作はNetflix「GIRI/HAJI」、高崎映画祭最優秀助演男優賞を受賞した「最初の晩餐」「みをつくし料理帖」「ファーストラヴ」「全員切腹」など。

「上下関係」は7月30日よりLINE NEWSの動画コンテンツ「VISION」で配信中

「上下関係」Episode 1「上京」
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