体育でのマスク着用は「保護者の判断が最優先」 コロナと熱中症の板挟みに悩む教員の本音

新型コロナウイルス禍が始まって1年半あまり。4度目の緊急事態宣言の中で、教育現場も臨機応変な対応を続けている。今、教育現場、そして子どもたちに何が起こっているのか。小中高、それぞれの学校に務める教員に実態を聞いた。

新型コロナウイルス禍は教育現場に大きな影響を及ぼしている(写真はイメージ)【写真:写真AC】
新型コロナウイルス禍は教育現場に大きな影響を及ぼしている(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 新型コロナウイルス禍が始まって1年半あまり。4度目の緊急事態宣言の中で、教育現場も臨機応変な対応を続けている。今、教育現場、そして子どもたちに何が起こっているのか。小中高、それぞれの学校に務める教員に実態を聞いた。

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「正直、あれもダメこれもダメでかわいそうだと思います。今の子どもたちは聞き分けが良すぎる。『コロナだからダメだよ』と一言いうと、『なんで』も『いやだ』も言わずやめる。しょうがないことだという諦めがしみついています」

 そう話すのは、都内のある小学校の教諭だ。低学年のクラス担任を受け持つが、1年生や2年生の幼い子たちでも、「コロナ」の一言を聞くと立ちどころに大人しくなるという。

「もはや完全なタブーになってますね。それこそ最初のころは、ふざけて『あいつコロナだ』と言ったり、看護師の家の子をからかったりということもありましたが、差別やいじめにつながりかねないと相当厳しく指導してきた。今は、『コロナ』と聞くだけでハッとしたりビクッとなったり。低学年だと先生にくっついてきたり友達同士でじゃれ合うこともよくありますが、その度に『コロナだからダメだよ』と注意するのは気が引けます」(同教諭)

 学校におけるコロナ対応は自治体の方針によってさまざまだ。この小学校では体育の授業や運動会でもマスクの着用を推奨しているが、強制ではなく最終的な判断は児童それぞれに委ねているという。

「リスク逃れと言われるかもしれませんが、コロナ対応については学校の方針より児童や保護者の判断を最優先にしています。コロナを何より恐れる保護者の方もいれば、熱中症だって怖いという方もいる。両方怖いから体育は欠席させてと言われれば、そうせざるを得ません。子どもたちには、体育のときはしんどかったらマスクをとってもいいよと言ってますが、意外と、してたいという子が多いですね。運動会で絶対に1位を取りたいという子以外は、つけたまま走る子も多い。高学年の女子では、素顔を見られたくないとか、マスクをしてないと落ち着かないと言って、卒業アルバムの撮影でも外したがらない子もいます」(同教諭)

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