オンラインから“リアル”に戻った30代男性、コロナ禍で体験した「婚活」実録

長引く新型コロナウイルス禍で、婚活市場には変化が訪れている。コロナ前は、対面形式のパーティーや街コンといった“リアル”イベントが主流だったが、オンライン導入が進む。その中で、オンライン婚活から交際に発展し、別れの経験を経て、オンラインを一度は「卒業」した人も。多様化する婚活事情。婚活イベントECサイトを運営する(株)リンクバルの協力の下、32歳の男性会社員の体験談を聞いた。

多様化する婚活事情でオンライン婚活を一度は「卒業」した人もいる(写真はイメージ)【写真:写真AC】
多様化する婚活事情でオンライン婚活を一度は「卒業」した人もいる(写真はイメージ)【写真:写真AC】

揺るがない信念は「行動をやめると出会いはなくなる」

 長引く新型コロナウイルス禍で、婚活市場には変化が訪れている。コロナ前は、対面形式のパーティーや街コンといった“リアル”イベントが主流だったが、オンライン導入が進む。その中で、オンライン婚活から交際に発展し、別れの経験を経て、オンラインを一度は「卒業」した人も。多様化する婚活事情。婚活イベントECサイトを運営する(株)リンクバルの協力の下、32歳の男性会社員の体験談を聞いた。

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 関東地方に住む男性は、昨年7月からオンライン婚活を始めた。もともとは“リアル婚活派”だったが、緊急事態宣言による外出自粛などもあり、婚活をどうやっていこうかと考えていたときに、たまたまテレビのオンライン婚活特集を見て、「選択肢があるなら」と思い、早速参加してみたという。

 オンライン婚活体験。「男性2人と女性1人」の計3人で同じ画面空間で交流するパターンや、画面上の1対1の“個室”空間で、決められた時間内で会話をするシステムもあった。男性会社員は計6、7回参加。互いに好印象であることを受けて連絡先を交換する「カップリング」まで実現したのは2、3人。実際に1人の女性と交際に至った。

 7月に知り合い、1か月間は電話・オンラインで会話を重ねた。8月にデートして初めて顔を合わせた。そして、お付き合いが始まった。コロナ禍だけに、互いの家を行き来。ゲーム好きの彼女と一緒にゲームで遊んだり、配信サービスで映画などを一緒に見たり。料理を一緒に作ることは「新鮮だった」。遊園地デートといった、コロナ前の定番とも言えるデートの機会はなかった。それでも楽しく過ごしていた。

 一方で、都内に住む彼女と、関東地方に住む男性。男性は土日関係のないシフト勤務だが、女性は土日休みの仕事だ。なかなか会えないことが続き、どうしてもすれ違いが起きてしまった。まめに連絡は取っていても、「来れない、行けない状況」が長くなり、約半年が経った今年春に、破局を迎えてしまった。

 男性はここで、「切り替え」を決断する。再び、“リアル婚活”に軸足を移すことにしたのだ。悲しい経験をしたが、婚活自体を諦めたり、挫折したりすることなく、パートナー探しを進める決意を新たにした。

 婚活業界では現在、日々の感染状況を鑑み、感染対策の徹底を行ったうえで、国のガイドラインに従って、できる範囲で参加者が集まる対面形式のイベントを行っているという。一方で、コロナ禍の影響で婚活そのものを断念する人も出てきているという。

 男性はこうした中で、婚活パーティーや街コンイベントを中心に参加している。1対1の対面で会話の設定時間は5~10分といったところだ。実際に会って、その場で相手の表情や雰囲気を感じ取ることができる。「参加者の真剣度の高さを感じる。距離を縮めやすいと思う」と、“リアル婚活”の利点について実感を込める。

 もちろん、オンライン婚活には、気軽さに加え、夜遅くからの開催といったフレキシブルな参加方法などの利点がある。しかし、“影”の部分を感じることもあったという。マッサージを受けながら参加する人に会ったり、飲み会の途中だからと言って「顔を出せません」と姿を見せない人もいた。さらに、男性の顔を見た直後に、相手からカメラも音声もオフにされ、会話のないまま設定時間を過ごしたこともあったという。画面越しの相手の素性が分からない――。こうした側面がにじみ出る場面に遭遇してしまった。男性にとって、オンラインは現状では「最終手段」の選択肢だ。

 ただ、このほど緊急事態宣言の発令が首都圏にも拡大。現状を踏まえながら、「状況判断」での婚活の取り組みを考えているという。将来のパートナー探しへの意志は揺るがない。男性は「行動をやめると出会いはなくなる。続けていきたい」と話している。

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