【週末は女子プロレス#8】上谷沙弥、前代未聞“フライング発言”からの名誉挽回に注目
マーベラスの長与千種「それだけの熱量があったってこと」
「ゴメンナサイ! ホントにゴメンナサイ! どうすればいいですか、私! ホントに全国のみなさん、ゴメンナサイ! ホントにすいません! もう、言うことすべて忘れました。とりあえず、5★STAR GP優勝して、この名を刻みたいと思います! お願いします! すいませんでした! すいません!!」
土下座までして謝罪した上谷。とはいえラッキーだったのは、Xのアナウンスが選手のコメント後すぐだったこと。これが後日発表だったとしたら意味合いは変わってくるだろう。さらには会場にいたファンを含め、スターダムの選手全員が上谷の失敗を即興でカバーしたことだ。というのも、Xの発表ではみんながはじめて知ったようなふりをして場内を盛り上げた。そこで、この日の様子を知ったマーベラスの長与千種にも話を聞いてみた。
「名前を出してしまったのはアイツ(上谷)の中にそれだけの熱量があったってことだから、むしろそのトンパチさは好きだよね(笑)。それに、スターダムの子たちってできてるなって思った。あの後、正式に発表したとき、『オー!』ってみんなが沸いたでしょ。あの瞬間、ロッシーと上谷さん、スターダムのみなさんって一心同体なんだなって気がした」
長与の言うとおり、上谷にはリーグ戦に向けての熱量がこれ以上ないほど上昇していた。というのも会見前、バックステージでは抱負を語る映像が前もって収録されていたのだ。エントリー選手がフリップを手に意気込みや注目選手などについて話す。上谷はここで彩羽の参戦、しかも自分と同じブロックに属することを知ったのだ。初めて目にしたときから、彩羽は上谷の“闘いたいリスト”に入っていた。夢の対決が、5★STAR GPで実現する――。
「匠さんとはいつか対戦したいと思っていたので、参戦すると知ったらうれしくて舞い上がってしまったんですね」(上谷)
林下詩美、朱里、中野たむ、そして彩羽匠が上谷にとっての「4大巨頭」になった。この4人を倒せば、おのずと初制覇も見えてくる。その上、彩羽をフライング発表したことで、かえって上谷の全公式戦が見逃せなくなったと言えるだろう。特に彩羽との対戦(9・11新宿)は思わぬ形でビッグカードに昇華したのではないか。長与は言う。
「彩羽からすれば、上谷さんが中途半端に来たらたぶんつぶしにいくと思うよ。オマエが名前を出したんだろうと。目いっぱいかかってくることが本当のケツの拭き方だってところだろうし、それがなされなかったら彩羽はキレるだろうね」