藤井聡太2冠の勝利の方程式とは? 王位戦第2局はどこが良かった? 真田圭一八段分析

真田圭一八段
真田圭一八段

王位戦第2局では藤井2冠の辛抱と終盤力が生きた

 さて、前置きが随分長くなったが、豊島2冠の先勝で迎えた王位戦第2局。内容は一言で言えば、藤井2冠はこれまで同様、豊島2冠に中盤でリードを奪うことはできない展開となった。戦型は角換わり相早繰り銀。難解な攻防となり、急所が分かりにくい展開だ。

 だが本局においても、先にペースをつかんだのは豊島2冠。消費時間の差を見ても、何か豊島2冠が対藤井戦に自信を持っているかのように、より多く時間を残して戦っている。本局のポイントは63手目、1時間の考慮で▲6六銀と強く踏み込んだ手だ。

 結論から言えばこの手は勝利に結びつく手にはならなかったが、勝てば勝因と言える手になったことは間違いない。つまり、例え紙一重であっても、自らの主導で勝ちに行く手を指せる展開を作れていた豊島2冠のペースだったということだ。

 もちろん、最終的に終盤で追い抜いた藤井2冠にも勝因はある。特に最近、タイトルホルダー同士の最高峰の戦いにおいては、例え少々苦しい展開になっても自分から崩れない強さ、自玉周辺の受けの強さが目立つ。決め手を与えなければ、本来一番の長所と言われた終盤力で相手を抜き去ることもできる。

 この将棋でも辛抱と終盤力が活きた。これで1勝1敗。もちろんまだまだ先は長く、タイトルの行方は分からない。また、この2人はこれから始まる叡王戦五番勝負でも対戦する。これだけ同じ相手と長く、たくさん対局する場合、内容がとても大切になってくる。飛ぶ鳥を落とす勢いで結果を出し続ける藤井2冠に、果たして弱点と呼べるものを見つけられるのか? そんな役割をもし担える棋士がいるとすれば、それは豊島2冠なのではないか。私はそんな風に思っている。

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