【欧州車紀行・北仏5】フォード車でモン・サン=ミシェル到着 名物オムレツの値段にびっくり

北フランス、ノルマンディーへの車旅。パリの環状線から高速道路に乗りカン方面へ、さらに走り続けているとレンヌ、モン・サン=ミシェルの表示が出てくる。ひたすら北へ向かう。

トウモロコシ畑に乗っかった感じのモン・サン=ミシェル【写真:峯田淳提供】
トウモロコシ畑に乗っかった感じのモン・サン=ミシェル【写真:峯田淳提供】

高速道路に1度乗るとトイレ探しに苦労する

 北フランス、ノルマンディーへの車旅。パリの環状線から高速道路に乗りカン方面へ、さらに走り続けているとレンヌ、モン・サン=ミシェルの表示が出てくる。ひたすら北へ向かう。

 カンからモン・サン=ミシェルまでは約90キロの距離。よくあることだが、途中、トイレが我慢できなくなった。フランスの高速道路はパーキングが少なく、高速を降りてからは駐車できる施設が見つからず、日本のようにパーキングで軽食を食べたついでにトイレへ、とはいかないのだ。必死に我慢するか、その場でやるしか方法がない。このときも、車を路肩に止め、道路脇の木立がある畑で、ちょっと失礼……。こういう体験で分かるのは、欧州人はどんだけぼうこうが大きいのかということだ。

 片側一車線の田舎道を一路モン・サン=ミシェル方面へ。対向車もまばらな道路は一面、黄色いトウモロコシ畑に囲まれ、丘陵地帯をアップダウンする。ようやく見えてきたモン・サン=ミシェルはまるでトウモロコシ畑に乗っかっている感じ。

 連れ合いのゆっちゃんには絵描きとしての「ここぞ」というスポットがあり、周囲を眺めながら、「こっちへ行け」「あっちへお願い」と面倒臭い。ところどころ立ち止まったり、戻ったり(一本道なので、これが意外に大変)。

 畑の中の車1台しか通れない一本道に入り、行けるところまで行ってみる。すると、牛が数頭、まばらに放牧されている風景に行きつき、しばし車を止めて空気を吸ってみる。乾いた、ふんの臭いがかすかにする。トウモロコシ畑、牛、その奥に浅瀬が見えて、モン・サン=ミシェルの姿が見えていた。

 モン・サン=ミシェルはイギリス海峡のモン・サン=ミシェル湾にある島だ。8世紀の初め、モン・サン=ミシェルを見下ろす丘にある街アベランシュの司教の夢の中に大天使ミカエル(サン・ミシェル)が現れ、この地に修道院を建てよというお告げを聞いたことから、長年をかけて修道院、付属の教会などが渦巻き状に建てられた。

 修道院の尖塔には黄金の大天使ミカエル像が設置されている。入口(王の門)から入ると、左右に観光客用のお土産店などを見ながら右方向に修道院に上がっていく構造になっている。かつては陸続きだったのが、津波に飲み込まれてから島になり、干潮になると陸続きになるので、歩いて渡っていた。しかし、フランス最大の巡礼の地となって約2キロの島への橋ができ、今は対岸から島にシャトルバスが運航している。

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