女優・恒松祐里が見せる“朝の顔”と“夜の顔”…「おかえりモネ」「全裸監督2」で飛躍の年

撮影シーンを振り返る恒松祐里【写真:舛元清香】
撮影シーンを振り返る恒松祐里【写真:舛元清香】

黒いワンピで現場入り「自分は役に入り込んでいるんだなと思いました」

 山田とのラブシーン撮影の当日は、黒いワンピースで現場に入った。「当時のことはあまり覚えていないのですが、森田(望智)さんと取材を受ける中、思い出したことがいくつかあります。スタッフさんから『今日の格好は黒木(香)さんっぽいですね』と言われ、私は『今日は黒木さんを意識しているんです』って、答えたそうなんです。それを聞いて、自分は役に入り込んでいるんだなと思いましたね。村西とのラブシーンを撮る日に、わざわざ元カノっぽい服で現場に来るって、すごいじゃないですか。それから、私がいきなり、(黒木役の)森田さんの肩をもんだことがあって、私は『普段から、いらつかせようと思って』と言って去っていったんだそうです(笑)。遠くで見ていた山田さんも『この女優はすごいな』と思ったらしいんです。その時は、乃木になっていたのかもしれないです」。

 主演の山田は変幻自在に役になりきるカメレオン俳優。本作では、前作よりもさらに実在の村西の外見に近づけるべく、体重を増やしたように見える。「深夜でもパンを食べたり、ずっと食べていらっしゃったみたいですね。森田さんから聞いた話だと、山田さんは元々の肌が白いので、日焼けサロンに行ったり、努力をされていたそうです」

 恒松が深く心を動かされたのは後半、借金をしまくった村西が所属の女優たちに責められながら、逆に開き直るシーンだ。「あのシーンは台本の2倍ぐらいのセリフを自分で作ってしゃべっていらっしゃるんです。それが成立してしまうすごさ。そのパワーが部屋中のみんなに届くんです。何なら、回数を重ねるごとにパワーアップしている」

 劇中の村西とおるは、どんな風に映ったか。「ブラックホールみたいな存在ですね。みんなが吸い込まれていく。野性的で自分の本能に従って生きている。自信を持っているのはいいところなのかもしれないですけど、女としては、もっと優しさが欲しいなと思います。自分が一番好きと同じぐらい相手を好きになってほしいなって思います」

「全裸監督」シリーズは世界190か国同時配信のビッグタイトル。「とても豪華だと感じましたね。ドラマではありますが、本当に映画的で、セットも豪華でしたし、小道具も昔のものを取り揃えて徹底しているなと思いました」

 一方の朝ドラ「おかえりモネ」は、「全裸監督」の後半を撮影していた際、オーディションでつかんだ。宮城県気仙沼で育ったヒロイン百音が気象予報士を目指す物語で、幼稚園時代から親友・野村明日美役。「とても明るくて、よくしゃべる。幼なじみの亮君(永瀬廉)にずっと片思いしている役。思ったことを頭に中に入る前に口から出ちゃうみたいな子です。こういう子って、人から誤解されやすいかもしれないんですけど、これは幼なじみの仲だからこそ、素直な気持ちを見せるんだと思います」

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