東京都医師会、五輪有観客の基準明示 新規感染者平均「500が危険水域、700が避難命令」

東京都医師会が22日、都内で緊急記者会見を開き、東京2020五輪・パラリンピック開催の必須要件について、大会組織委員会に意見書を提出したと発表した。中止や無観客開催の要件について、医師会の猪口正孝副会長は「週平均の新規感染者数700人」との1つの基準を示した。

会見に出席した東京都医師会の尾崎治夫会長【写真:ENCOUNT編集部】
会見に出席した東京都医師会の尾崎治夫会長【写真:ENCOUNT編集部】

猪口正孝副会長が「週平均の新規感染者数700人」 1つの基準を明示

 東京都医師会が22日、都内で緊急記者会見を開き、東京2020五輪・パラリンピック開催の必須要件について、大会組織委員会に意見書を提出したと発表した。中止や無観客開催の要件について、医師会の猪口正孝副会長は「週平均の新規感染者数700人」との1つの基準を示した。

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 意見書では、大会の開催を契機に感染が拡大しないこと、大会を開催することによって通常医療が圧迫されないことを「医学的見地から見た大会開催の必須要件」とした。大会開催にあたっては「無観客での開催も含め適切な方向性と具体的な方策を早期に示していただきたい」「感染状況によって必須条件を維持できない場合には、都民・国民の安心・安全を守るために、無観客または中止とすることも考慮していただきたい」と求めた。

 通常医療圧迫の定義について問われた猪口副会長は「すでにかなり圧迫を受けています。感染拡大に備えてコロナ病床6000床を用意しているが、6000床のために8000床近く、全体の20%をつぶしている状況。この6000床を上回ったり、重症患者用の300床をあふれて他のICU病床を使わざるを得ない状況になると、通常医療の圧迫と言える」と説明。具体的な基準として「週の新規陽性者平均500が危険水域、700が避難命令といったところ。700は2週間前の数字だから、そこで手を打っても1000を越えちゃう。仮に増加比が1.2倍だと2週間で倍の1400近くなる」との見方を示した。

 20日の緊急事態宣言解除により、今後は感染者の増加も懸念される。頼みの綱のワクチン接種については「五輪関係者は今都庁などで一生懸命打ってる。間に合うのかというと正直かなりギリギリのところ。あと2か月早く始まっていたら問題なくやれた。みんなで一生懸命打っていくしかない」と話した。

 会見には尾崎治夫会長も出席。「無観客開催が最もふさわしい。どういう形が望ましいか、アンケート調査を行って所属の60地区すべての医師会から回答をいただき、五輪組織委会長や国、都知事あてに提出した」などと述べた。

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