「適応障害」乗り越えた元乃木坂46・中元日芽香の今 心理カウンセラーになって思うこと
“ひめたん”と“中元日芽香”の違い「自分の言葉で話をするって新鮮」
著書内でも、アイドル時代は“ひめたん”というファンが求める“偶像”を演じ続けていたと明かしているが、現在は等身大の“中元日芽香”を見せることができているという。
「カウンセラーになって、中元日芽香としてメディアに出るようになって、まだ感覚がつかみ切れていません(笑)。自分の言葉で話をするってことが新鮮です。以前の自分だったら『アイドルとしてこの受け答え正解かな?』って意識することが多かったので、今のほうが言いたいことを言えてると思います」
そんな中元へ自分の中に“ひめたん”が残っているかと問うと「全然ないですね。びっくりしますよね」と笑顔。「当時の映像を見ると楽しそうにやってるなって思いますが、“なんとかビーム”(当時は“ひめたんビーム”が必殺技)とか絶対ムリって思います(笑)。人が丸々変わったってことではないですが、『“ひめたん”として出るぞ!』と気負っていた感はなくなって、今はどちらかというとフラットな状態でお話できているかなと思っています」とした。
元々は歌や踊りが好きな中元。新型コロナ禍になるまでは「ひとりカラオケや(乃木坂46の)卒業生たちとカラオケに行ったりもして、乃木坂の曲を入れまくるみたいなことも2019年まではやっていました」と明かした。一方で、「『アイドルもう1回やる?』って言われたら、表舞台では良いかなって感じではありますけど」と笑う。卒業直後は乃木坂46という名前を聞くことすらもつらい時期があったというが、現在は現役メンバーや卒業生の活躍から良い刺激を受けているとも語る。
今後については、「カウンセリングやメンタルの不調に対してのイメージが皆さんの中でネガティブなものがあるとしたら、それを変えていきたいとカウンセラーになる決意をすると同時に思いました。ちょっと悩んだとか、モヤモヤするなって方がいらっしゃったときに、選択肢の1つとしてカウンセラーがいて、皆さんがもっと気軽に利用できるようになれば、1人で思い詰めて、最悪の事態になる前に手を差し伸べることができるんじゃないかなと思っています。そんな温かい世界になったら、貢献できたらいいなという大きな野望です」と笑顔で目標を掲げた。
「自分の過去と対峙するのは疲れることで、それを見ないふりして走り続けることもできると思うんです。だけど、私は過去を受け入れた結果、今は毎日楽しく仕事ができています。なので、そういったことを考えるきっかけになればいいなと思っています。メンタルヘルスってなんだ? って、この本での実体験を通して、こんなケースもあるよってお示しできたらうれしいです。でも1番は楽しんで読んでいただけたらとは思っています」
「最近仕事どう?」という何気ない問いに答えられないことから自身の精神状態に気付き、アイドル活動の休養を決断した中元。インタビューの最後に同様の質問を投げかけると「楽しいです。そう言えるようになったのも成長です」と笑顔で答えてくれた。
「適応障害」という壁に衝突しながらも自分の足で一歩ずつ前へと進んだ中元。アイドルの“ひめたん”ではなく、カウンセラーの“中元日芽香”として、発信の形を変えながらも今日も誰かに“元気”を与えている。
□中元日芽香(なかもと・ひめか)1996年4月13日、広島県出身。2011年に乃木坂46の1期生オーディションに合格。約6年間“ひめたん”の愛称で活躍。アイドルらしさを全面に出すスタイルでファンを魅了するも、体調不良のため17年11月の東京ドーム公演を最後にグループを卒業し、芸能界からも引退。現在はオンラインカウンセリングサロン「モニカと私」の心理カウンセラーとして活動中。
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