【ズバリ!近況】作家・志茂田景樹が81歳、車椅子でも嘆かず、自分責めず執筆とオシャレ継続できる理由

「どんなことがあっても自分を責めない」【写真:荒川祐史】
「どんなことがあっても自分を責めない」【写真:荒川祐史】

きついこと、つらいことを楽しいことに転換していく

 81歳でその上こんな体の状態ですから取材を受けるのもきついです。でも、きつい、つらいと言ったらそれで終わっちゃいます。人間ですから明日死ぬかもしれないし、こんな状態でも100歳まで生きるかもしれない。そういう中でどう楽しく生きたらいいか。例えば、SNSで自分が書いたことにいい反応があったら、「やはりそうだろう。もっとやれよ」と自分を励ます。そんな心の持ち様が大切。どんなことがあっても自分を責めない。「こんな体になって」と嘆いて自分を責めても、それは新しいことに踏み出す力にはならないんです。

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 だったら、すべてを楽しいことに転換していく。ぼくは81歳になってもいろいろやりたいことがあって夢を描いているけれども、それが明日明後日挫折しても無念には思いません。マイナスの思考はしないんです。もっとも、こういう話は、取材などでよく自分の生き方を聞かれて、説明してみればそうなんだということであって、自分では特にそういうことを意識してきたわけでなく、自然にそんなふうに生きてきました。昔から楽天的なんです。それは今も変わらない。

□志茂田景樹(しもだ・かげき)1940年3月25日、静岡県伊東市生まれ。中央大学法学部卒。小説家、絵本作家、「よい子に読み聞かせ隊」隊長。76年、「やっとこ探偵」(講談社)で小説現代新人賞、80年、「黄色い牙」(講談社)で直木賞。絵本も手掛け、2014年、「キリンがくる日」(ポプラ社)で日本絵本賞読者賞を受賞。主な作品に、「異端のファイル」(祥伝社)、「それゆけ孔雀警視」(光文社)、「制覇」(徳間書店)、「極光(オーロラ)の艦隊」(実業之日本社)、「死にたいという本当は死にたくない私」(志茂田景樹事務所)などがある。

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