高校サッカー応援歌で話題の16歳・三阪咲 新時代の歌姫は「聴く人を楽しませる歌手になりたい」

YouTubeやSNSを通して10代を中心に絶大な支持を集める16歳の女性歌手がいる。現役高校1年生の三阪咲だ。TikTokでは関連動画再生数が約5億回で、YouTubeにアップされた歌唱動画の関連動画再生数は計約5000万回という驚きの数字を持つ。令和になって初開催となる「第98回全国高校サッカー選手権大会」の応援歌と高校サッカー史上初の試みとなる“みんなのアンセム”も担当し、飛躍を重ねる。そんな新時代の歌姫は「聴く人を楽しませる歌手になりたい」と前を見据えている。

高校サッカーの応援歌で話題を呼ぶ三阪咲【写真:山口比佐夫】
高校サッカーの応援歌で話題を呼ぶ三阪咲【写真:山口比佐夫】

抜群の歌唱力を持つ高校1年生の三阪咲 応援歌「繋げ!」、みんなのアンセム「We are on your side」を歌唱

 YouTubeやSNSを通して10代を中心に絶大な支持を集める16歳の女性歌手がいる。現役高校1年生の三阪咲だ。TikTokでは関連動画再生数が約5億回で、YouTubeにアップされた歌唱動画の関連動画再生数は計約5000万回という驚きの数字を持つ。令和になって初開催となる「第98回全国高校サッカー選手権大会」の応援歌と高校サッカー史上初の試みとなる“みんなのアンセム”も担当し、飛躍を重ねる。そんな新時代の歌姫は「聴く人を楽しませる歌手になりたい」と前を見据えている。

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 幼稚園の頃から歌が大好き。ダンスやピアノ、ギターにも触れ、小学5年、11歳の時に、当時通っていたダンススクールで行われたボーカルコンテストに出場したことがきっかけで、「歌手になりたい」と目指すようになった。才能を早くから開花させ、中学1年で1人のステージを経験。最初は緊張や不安から苦しんだ時期もあったが、中学2年になると、「ライブが楽しいと思えるようになった」。中学3年でテレビにも出演。ロックからPOPS、R&B、洋楽ナンバーまで幅広いジャンルを歌いこなす抜群の歌唱力、パワフルで伸びやかな歌声、元気いっぱいのキャラクターで一躍注目を集めるようになった。

 昨年10月、さらなる転機が訪れる。今回の高校サッカーの応援歌を歌うことが決まったのだ。過去にコブクロ、絢香、miwa、家入レオら人気アーティストが名を連ねる栄えある応援歌担当だ。今回、応援歌「繋げ!」と、みんなのアンセム「We are on your side」を制作。とりわけ作詞にはこだわりを持った。神奈川県大会の地区予選を観戦し、選手たちの喜怒哀楽の表情やガッツポーズを目の当たりにしたことや、サッカーやスポーツに取り組む友人たちに電話をして、選手に寄り添える気持ちを書くことへ注力した。そして、何より同じ高校生の目線に立ち、こみ上げてきたさまざまな感情を込めた。

「繋げ!」では、「笛の音が鳴り響くまで “もう一度”がない試合で がむしゃらに走り続ける僕ら」とつづった。「ストレートに書いた」という歌詞。「『笛の音~』の部分は、サッカーの試合で残り数分になってくると、『負けてしまうかもと思ってしまう』という話を聞きました。でも、選手のみなさんは最後まで走り続ける。その思いを歌詞にしました。『“もう一度”がない試合』という部分は、練習試合は何回もできると思うんですけど、トーナメントは一度きり。負けたら終わりという面も表現したいと思って書きました」と話す。一方の「We are on your side」は、マネージャーや応援席の生徒たちといった選手を応援する周りの人たちの目線で書いたエールだ。

 同世代に向けた大事な曲。「今までの青春を全部そこにつぎ込んで来ている人たちの思いをしっかり歌えたらと思います。スポーツに取り組んでいる人に向けても、それに、スポーツに関係なくても、頑張ろうと一歩踏み出そうとする時に、この曲がそばにあったらと思うので、これからも一生懸命に歌っていきたい」と思いを込める。

三阪咲は同世代の支持を集めている【写真:山口比佐夫】
三阪咲は同世代の支持を集めている【写真:山口比佐夫】

 SNSの注目度も大きく、Twitterのフォロワーは14万人、Instagramは17万人を超える。多くは同世代の子たちという。自撮り写真や彼女自身の日常をなるべく投稿し、テスト期間中は「テスト1日目」といった等身大の情報を書き出す。コメント機能でフォロワーとコミュニケーションを図っているといい、「歌っている私だけではなくて、普段の私をいっぱい更新して、応援してくださるみなさんと一番近い距離でいられたら。一緒に頑張れたらいいなと思っています」。寄り添うスタイルが人気の秘密のようだ。

 歌手になりたいと憧れをもたらしてくれたアーティストは、実力派シンガーのSuperfly(越智志帆)。幼稚園の時にはアルバムの1曲目から13曲目まで全部を歌うほど親しんできたという。そもそも音楽に目覚めたのは、父の影響からだ。幼少期から車の中で聴いていたSuperfly、宇多田ヒカル、コブクロの歌声が原点。「父の音楽の趣味がしっかり染みついています」という。それに、父と娘で行くカラオケも重要な練習場所。中学時代は、片道約2時間かけて通学していたため、通学中に曲を聴き込んでイメージを膨らませていたといい、「カラオケで父にどうやってパフォーマンスするか、なんです。歌を教えてくれました」と振り返る。今でも休日だと5、6時間を歌い続けることもあるという。

 昨冬に東名阪・東北・福岡など全国7か所の全国モールツアーを実施。今年は2月に東京・大阪でワンマンライブを開催する。着実に実績を重ねており、「ライブで47都道府県を回れるように頑張りたい。北海道には家族で、スノーボードをしに2年に1回ぐらい行くんですけど、まだライブでは行ったことがないのでライブをしに行きたいです。それで、歌い終わったあとに美味しい海鮮を食べたい」と笑う。

 今回の高校サッカーでは、11日の準決勝と13日の決勝戦で歌唱パフォーマンスを行う予定だ。「今年はできるだけ全国でライブをして、もっといろいろな人に知ってもらいたいです」と意気込む16歳。夢にあふれる新星は「どんなジャンル、どんな曲でも歌いこなして聴いている人を楽しませたい」と目を輝かせた。

□三阪咲(みさか・さき)2003年4月23日、大阪府生まれ。身長170センチ。最近は、ポケモンや「公園で走り回ること」にハマっている。

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