「男性は育児の権利を侵害されている」 男性産休法、専門家が指摘する今後の課題

専門家は社会における「男性の育児権利侵害」を指摘する

 基本的には好ましいものであるはずの今回の法改正だが、世間でなかなか男性の育児参加が進まない背景は何なのか。

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 NPO法人「パパの育児・看護・介護支援センター」代表の国際医療福祉大学・古山陽一専任講師は「男性の意識が低いからではなく、男性が育児の現場から排除されているから」と唱える。

「たとえば、ある大手の幼児教室では体験学習に父親が子どもを連れていくと、『授乳されるお母さんもいますので、お父さんはお断りしているんです』と実際に言われる。一見仕方なく思いますが、幼児教室はせいぜい30~40分で、その間に授乳するお母さんはいません。男性の看護師や保育士に対する偏見もそうですが、実際に女性主体の場に男性が入ってきてほしくない、入ってくることを想定していないというケースは少なくない。極端な話、欧米先進国では男性の助産師がいますが、日本では法令上男性がなることはできません」

 その上で「育児参加は義務ではなく権利で、男性はその権利を侵害されているのが現状。男性の意識が低い、男性が参加するべきという一方的なエンパワーメントはあらためられるべき」と指摘する。

 国がどれだけ“働き方改革”を進めても、企業や個人の意識が変わらなければ社会は変わらない。今回の法案成立を機に、一人一人の意識のアップデートが望まれる。

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