3年ぶり連載再開に全世界が歓喜、コミックス3冊同時発売 「聖闘士星矢」怒とうの展開へ

6月3日に発売された「週刊少年チャンピオン」の表紙。この号でしか手に入らないクリアしおりも付いている
6月3日に発売された「週刊少年チャンピオン」の表紙。この号でしか手に入らないクリアしおりも付いている

「聖闘士星矢 Final Edition」には「EPISODE0」も収録

 ちなみに最新第13巻にあった作者・車田正美先生のコメントは、以下のようなものだった。一部を引用する。

誰もがアッと驚く夢のタッグ…キャプテン翼とアノ人気ゲームのコラボが実現

「世界中を飛び回って見聞を広めることも確かに有意義だ。しかし、ひとつ所で地道にやることもそれなりに何かを得るのだな。

俺の仕事も井の中でコツコツやっているようなものだがそれでも蛙(かわず)に負けずに知りたいものだ。天の高さを…」 

 車田先生らしく、言葉の選び方が意味深な、謎を呼ぶ言い回しになっているが、今後の車田作品の飛躍的な展開を暗示している、とも受け取れる。

 実際、今回発売された「聖闘士星矢 Final Edition」の第1巻、第2巻にしても、これまであった「聖闘士星矢」の再出版(出し直し)ではない。

 というのは、再出版の域をはるかに上回る、車田先生自らが大幅に加筆・修正を加えた部分が随所に確認でき、加えて、第1巻には、これまでのコミックスには未収録だった、「EPISODE0」も収録されているのだ。

 となれば、もう「聖闘士星矢 Final Edition」は、「聖闘士星矢」のファイナル決定版になるだろう。

 いや、その前に第1巻を手に取った印象を記述すると、かなりの厚みを感じた。それもそのはず、1986年9月にジャンプコミックスとして発売された第1巻が190ページ程度なのに対し、今回の第1巻は260ページを超える。

 さらに言うなら第3、4、5巻は7月に発売されることが決まっている。

 現段階では、5巻までの表紙はそれぞれ、1巻の表紙がペガサス星矢、2巻がドラゴン紫龍の描き下ろしになっているが、3、4、5巻はおそらくアンドロメダ瞬、キグナス氷河、フェニックス一輝という主要キャラである可能性が高い。

 というのは、今回の「週刊少年チャンピオン」には「この号でしか手に入らない!!」とうたわれている、「聖闘士星矢」のプレミアムクリアしおりが付いており、その画像に5人の主要なキャラが用いられているのだが、「聖闘士星矢 Final Edition」の1巻及び2巻で使用された描き下ろしイラストが採用されている。

 だとすると、このしおりにあった描き下ろしイラストが、そのまま「聖闘士星矢 Final Edition」の3、4、5巻の表紙に使われることが予想されるからだ。

 ちなみに、しおりにあった瞬のイラストだが、SNS上で以下のような感想を見つけた。

「瞬ちゃんの唇がうっすらピンク色なのさすがだわ…」

 これには正直、よく見ているなーとうなった。

 確かに瞬は、視覚的にも性格的にも女性的な側面を持つキャラ。改めてファンは細かな描写も見逃さないことを知った気がする。

 ともあれ、3年ぶりの「星矢ND」連載再開と、コミックス3巻同時発売という怒とうの展開は、もう自然と「小宇宙(コスモ)を燃やせ!」の号令を、全世界に向けて放っているとしか思えない。

 そう、全世界の車田漫画に影響を受けたファンに、どんな時でも希望を捨てるな、と伝えたいからこその展開なのだ。

 ならば、ここは前向きにその仕掛けに乗ってみようではないか。

「燃え上がれ、俺の小宇宙(コスモ)!」

次のページへ (3/3) 【写真】昨年6月2日の「日記」には車田タッチで、疫病退散の神様・アマビエ様を描いた(車田正美公式サイト「生々流転」より)
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