新団体「GLEAT」のテッペンを狙う「悪い子」は怪獣酒場でパワーチャージ

新団体「GLEAT」の本旗揚げ戦(7月1日、東京・TOKYO DOME CITY HALL)を前に、「GLEATの舵は俺が取る」と名乗りを上げた河上隆一。大日本プロレスから金銭トレードされ、新天地に活路を見いだした不退転の男が、7・1決戦で#STRONGHEARTSのT‐Hawkと、事実上のエース決定戦を争うことになった。

テッペンを目指す河上隆一の眼光は鋭い限り【写真:柴田惣一】
テッペンを目指す河上隆一の眼光は鋭い限り【写真:柴田惣一】

「GLEATの舵は俺が取る」と名乗りを上げた

 新団体「GLEAT」の本旗揚げ戦(7月1日、東京・TOKYO DOME CITY HALL)を前に、「GLEATの舵は俺が取る」と名乗りを上げた河上隆一。大日本プロレスから金銭トレードされ、新天地に活路を見いだした不退転の男が、7・1決戦で#STRONGHEARTSのT‐Hawkと、事実上のエース決定戦を争うことになった。

 大日本時代から他団体での活躍が目立っていただけに「俺はすべてを捨てて、Gプロレス(GLEATのプロレス部門)のテッペンを取りに来た」との決意表明には自信がみちあふれ、力がこもっていた。実際、リング上では情け容赦ない非情の攻めでたたみかけ「悪い子」を自他ともに認めている。

 だが、リングを離れれば「おしゃれ番長」を自認しており、私服のセンスはなかなかのもの。その上、口数は少なく、きれいごとは口にしないが、優しさにあふれている。ぶっきらぼうで怖いイメージだが、いったん言葉を交わすと笑顔が似合う穏やかな男なのだ。

 新型コロナウイルス禍以前のこと。あるお店で、黒田節に出て来るような大きな盃に「大食い選手権か!?」とたまげるほど、山盛りのごはんが出されたことがある。プロレスラーだからとサービスしてくれたのだろう。軽く3~4合はありそうだったが「ありがたいのですが、これは全部は食べられませんので少し減らしてください」と、半分ほど(それでも超大盛り)にしてもらっていた。

 普通なら、食べられるだけ食べて、残しそうなものだが「残したら失礼だし、申し訳ないので」と大人の対応だった。

 大人の「悪い子」は、ただ悪いだけじゃない。心憎いほどの紳士ぶりを何度も見かけた。

 ウルトラマンの怪獣酒場。ウルトラ戦士や地球防衛軍は入店できないらしく、怪獣が主役の酒場の店内は「永遠の少年たち」でにぎわっていた。

 ウルトラ怪獣たちには、それぞれにエピソードがある。宇宙旅行中に、故郷の星が消滅したり、核実験の失敗で怪獣に変身してしまったり……。「環境問題や、人間の争いごとの犠牲者なんですよ」と河上は詳しい限り。

 怪獣もそれぞれ事情があるものの、悪さは本物。河上もリング上では、思いっきり「悪い子」になるのだから、共感する点も多いのだろう。

 大日本時代も「悪い子」に徹することができるアウェーのリングで、いつにもまして大暴れが目立っていた。天龍プロジェクトで大活躍し、BASARAでは「トランザム☆リュウイチ」に化身するなど、幅広いプロレスを披露してきた。

 新天地ではどんなスタイルを見せてくれるのか? 目指すはテッペンのみ! 自慢の胸筋をピクピクさせ、来たるべき日に備え、鍛錬を重ねる河上のファイトが待ちきれない。

次のページへ (2/2) 【写真】バルタン星人を見つめる河上隆一のショット
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