「青天を衝け」で草なぎ剛が演じる徳川慶喜の号泣シーン 演出家絶賛「想像以上」

NHKの大河ドラマ「青天を衝け」(日曜午後8時)の第16回が30日に放送され、関東地区の平均世帯視聴率が14.6%と、変わらず好調をキープしていることが31日、ビデオリサーチの調べで分かった。第16回は、徳川慶喜(草なぎ剛)の側近・平岡円四郎(堤真一)が水戸の人間に殺害されるドラマチックな内容だった。演出家の村橋直樹氏が、このほど円四郎の最期のシーンや慶喜が冷たくなった円四郎と対面した場面の舞台裏を明かした。

亡くなった平岡円四郎(左=堤真一)と徳川慶喜(草なぎ剛)の対面シーン【写真:(C)NHK】
亡くなった平岡円四郎(左=堤真一)と徳川慶喜(草なぎ剛)の対面シーン【写真:(C)NHK】

第16回の関東地区の平均世帯視聴率14.6%

 NHKの大河ドラマ「青天を衝け」(日曜午後8時)の第16回が30日に放送され、関東地区の平均世帯視聴率が14.6%と、変わらず好調をキープしていることが31日、ビデオリサーチの調べで分かった。第16回は、徳川慶喜(草なぎ剛)の側近・平岡円四郎(堤真一)が水戸の人間に殺害されるドラマチックな内容だった。演出家の村橋直樹氏が、このほど円四郎の最期のシーンや慶喜が冷たくなった円四郎と対面した場面の舞台裏を明かした。

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 円四郎は雨の中、突然、襲われ「うそだろ。冗談じゃねえ。おれはまだ死ねるか」と血まみれの状態で歩きながら言葉を発し、「見たい物が山ほど」と言いかけて倒れた。最後は愛する妻・やす(木村佳乃)の名前を呼び、天に向けて右手を伸ばし、非業の最期を遂げた。殺害される直前には「尽未来際、どこまでもおともつかまつります」と伝えた慶喜からほほ笑んでもらう幸せな場面が描かれていた。

 村橋氏は円四郎の最期のシーンに「円四郎はある種、人生最高の時に死んだんじゃないかなというふうに描きたかった。突然、(最高の人生が)途切れたという形を作りたかった。立ち上がってどこかに歩いていく動きを堤さんと話し合って決めました」と、視聴者の悲しみを誘った場面の背景を説明した。

 また、村橋氏は雨の演出意図と草なぎの演技にも言及。脚本には「雨が降りそうな不穏な中で」と表現されていたとし、あえて雨の設定にしたという。慶喜は、雨にうたれながら亡くなった円四郎と対面し、号泣した。村橋氏は「慶喜の涙が流れるシーンは、本当は雨を降らせないほうが効果的に映るかもしれないと思いましたが、逆にそういう形の涙を見せたくなかったんです。草なぎさんの芝居は、形じゃないところで出る物がとてもある。あえて涙が隠れる方向の雨を降らしてみたいと思いました」と説明した。雨にぬれる慶喜とその涙。「どうして。どうして。どうして」と繰り返す言葉が、狙い通り悲しみをより深く表現していた。

 さらに村橋氏は草なぎについて「草なぎさんを撮ろうとカメラ3台で狙いました」と語ると、「草なぎさんから出る芝居は1回限りのものだったり、技術的に組み立てていく演技じゃない部分がある」と紹介。「雨でおおわれている中でも涙やおえつも伝わってくる。形を超えたものが出てくる人。想像以上のものが出ていました」と草なぎの号泣シーンを絶賛した。

 第16回は新選組の土方歳三を演じる町田啓太の殺陣のシーンも美しかった。見どころは盛りだくさんだった。

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