女優の南沙良（18）が阿部寛主演の日曜劇場『ドラゴン桜』（TBS系、毎週日曜・午後9時）で民放連続ドラマ初出演し、その演技に注目が集まっている。南が演じるのは、東大クラス“東大専科”の生徒、早瀬菜緒役だ。これまで演じたことのない明るい今どきの女の子で、「自分の中の一番明るい部分を引っ張り出している」と語る。

「幼な子われらに生まれ」「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」など映画界での活躍が目立つ南にとって、連ドラの現場はどうだったのか。「現場の雰囲気もすごくいいですし、ほどよい緊張感があって、やりやすいです。同世代の方とお芝居する機会はあまりなかったので、すごく刺激になっていますし、そうそうたる方々と一緒にお芝居させていただけるのは、女優としても、何か成長しているんじゃないかな」と笑顔をみせた。

　演じる早瀬菜緒は、仲の良い家族の愛情を受けて育った明るい性格の今どきの女の子。「最初、私が菜緒を演じるんだと意外に思いました。性格が真反対。自分の中で一番明るい部分を引っ張り出しています。明るくて純粋で無邪気な普通の女子高生は難しいと思いつつ、やりがいも感じます」

　菜緒はむしろ苦手のタイプだ。「私はあんまり話したこともない子ですね。今どきの子が使う言葉遣いですし、思ったことを全部口に出す。私はあんまり言わない。こういう子って、いるなと思います。イメージ像はしっかりあるんですが、近づけるのが難しいんです」

　映画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」では、吃音を持ち、思っていることをうまく言えない志乃役を好演し、数々の新人賞に輝いた。何かを抱え持っている役の方が演じやすいという。「私自身が共感できる部分というか、自分と重なる部分がはっきり見えるので、やりやすいんです。自分は普通に明るいと思うんですけど、顔に出ないというか、『暗いね』と言われることが多いので、周りからは明るく見えてないのかと思って……」と明かす。

　確かに、普通の10代とは違う感性の持ち主のようだ。撮影中の雑談で、阿部とは仏像談義をしたとか。阿部のほかにも、弁護士の水野直美役・長澤まさみといったベテランとの共演で、大きな刺激を受けているという。「（阿部演じる）桜木先生は言葉の一つ一つに重みがあって、すごい響きます。存在感もそうですし、せりふの間、テンポの一つ一つのことがすごい。重みがあるんです。私も必死についていきたいなと思っています」