渡辺謙「時計が動いた気がした」 舞台「ピサロ」アンコール公演で「リベンジしたい」

俳優の渡辺謙と宮沢氷魚が出演するPARCO PRODUCE 2021「ピサロ」(演出ウィル・タケット)の初日前会見&公開ゲネプロが14日、東京・渋谷のPARCO劇場で行われた。

「ピサロ」初日前会見に出席した渡辺謙【写真:ENCOUNT編集部】
「ピサロ」初日前会見に出席した渡辺謙【写真:ENCOUNT編集部】

「一生、俳優をする」覚悟を決めた作品

 俳優の渡辺謙と宮沢氷魚が出演するPARCO PRODUCE 2021「ピサロ」(演出ウィル・タケット)の初日前会見&公開ゲネプロが14日、東京・渋谷のPARCO劇場で行われた。

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「ピサロ」はトニー賞最優秀作品賞、ニューヨーク劇作批評家賞などを受賞した英劇作家ピーター・シェーファーの代表作。16世紀に、167人の寄せ集めの兵を率いて、2400万人のインカ帝国を征服した、成り上がりのスペインの将軍ピサロの物語。昨年3月、PARCO劇場オープニング・シリーズ第1弾公演として開幕する予定だったが、コロナ禍で初日を延期。45回予定が10回の上演しかできなかった。今回は要望を受けてのアンコール公演となる。

 渡辺にとっても、思い入れの強い舞台だ。山崎努が主演した日本初演(1985年、PARCO劇場)で、無名だった時代に、インカ帝国の王・アタウアルパを演じ、「一生、俳優をする」と覚悟を決めた。「(前回は公演が)10回しかなかったので、つかみかけたところで終わってしまった。幕が上がって、(緊急事態)宣言が出るか出ないかという感じで、客席を半分にしましょうというお触れが出て、お芝居を楽しみましょうという雰囲気ではなかった。(今回)読み合わせをしたときに時計が動いた気がした」と話した。

 アタウアルパ役の宮沢は自身初の再演。「昨年、謙さんが『またやりましょう』とおっしゃってくれ、またやるんだと思っていました。悔しい思いもありましたが、前向きになれる自分がいた。1年たって同じ作品をお届けできるのは幸せ。作品としても、個人としても成長できた姿をお見せしたい」と力を込めると、渡辺からは「かなり成長しています」と太鼓判。これには宮沢も「プレッシャーです」と苦笑いだった。

 渡辺は再演について「(宮沢の役は)神のようで、超越している。それを舞台の上で表現するのは大変。去年、表現できているので、今年はさらに出そうとしている。僕は、死を考えている老いぼれの役。1年、歳を取って、また近づけたのではないか」と冗談交じりに抱負。「PARCO劇場は(自分にとって)くさびを打つエポックな作品が多い。自分をふるい立たせてくれる劇場です。今回もリベンジ公演させていただける」と気合十分だった。

 12日から劇場でけいこに入ったそうで、3日に1回のPCR検査を行いながら、本公演に臨むという2人。宮沢は「けいこ前から(コロナには)気をつけています。劇場は安全なところなので、1年間の思いを1人でも多くの人に見ていただきたい」。渡辺は「緊急事態が発令している状態で、足を運んでいただくことに胸を痛めますが、それでもお届けしたいんです。その気持ちをカンパニーは持っている。毎日、しっかり届けていこうと思っています」と公演への熱い思いを見せた。

「ピサロ」はほかに、栗原英雄、大鶴佐助、長谷川初範、外山誠二ら共演。公演は6月6日まで。

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