勝敗を超えた絶対エース 大日本プロレスのストロングBJを支える男とは【連載vol.41】
大日本の試合では「負け=敗者」とはならない
5・4札幌大会のBJW認定タッグ選手権で、王者組の野村卓矢にドラゴンスープレックスホールドで敗れた岡林裕二も「弱いから負けた」というイメージは全くない。岡林の「ゴーレム」と評される人間離れした怪物ぶりは健在で「次に対戦したらどうなるか分からない」という次への期待感が残るのが特筆すべき点だろう。
今回は野村の方が強かった。ストロング・クエストというロールプレイングゲームがあったなら「タクヤはゴーレムを倒した。攻撃力が5上がった。防御力が3上がった。経験値が7上がった。宝物のベルトを守った。レベルが1上がった」ということだろう。
また「ゴーレムは復活の呪文を唱えた。ゴーレムの体力は復活した」。岡林はこれだ。
「大日本に敗者はいない」と登坂栄児社長が実況していた。大日本の試合では「負け=敗者」とはならない。
「プロレスは勝ち負けだけではない」と言われる。もちろん応援する選手に勝ってほしい。ベルトを巻いてほしい。だが、それだけではないのがプロレスの魅力だ。負けても光る選手こそ、真のスター選手かも知れない。
勝者にはおのずと注目が集まる。だが今回の札幌2連戦の「敗者」関本、岡林からも目が離せない。年齢的にも脂の乗り切った時期で、まだまだこれから。どのように復活するのか、期待したい。
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