勝敗を超えた絶対エース 大日本プロレスのストロングBJを支える男とは【連載vol.41】

丸腰なのに圧倒的な存在感を誇る男が、大日本プロレスの関本大介だ。

岡林裕二(下)を強烈なチンロックで絞り上げる関本大介【写真:柴田惣一】
岡林裕二(下)を強烈なチンロックで絞り上げる関本大介【写真:柴田惣一】

「また精進してベルトを目指します」

 丸腰なのに圧倒的な存在感を誇る男が、大日本プロレスの関本大介だ。

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 チャンピオンの座から陥落すると、急に失速する選手が多い。今まであんなに強かったのに…王者の重責が取れてホッとしてしまうのか、激闘のダメージが一気に出てガクッときてしまうのか、いきなり影が薄くなってしまうケースもある。欠場しているのか、と思ってしまうほど存在感がなくなってしまう場合もある。

 そんな中、関本は稀有(けう)な存在だ。先の5・5札幌大会で、BWJ認定世界ストロングヘビー級王者・中之上靖文に挑戦。これまでタイトル史上最多となる4回も戴冠しているのだが、今回は敗れてしまった。

 ところが、関本が弱くなったというイメージは全くない。その肉体、そのパワー、その豪快な試合っぷり。「負けても傷つかない選手」。関本はもはやベルトを超越した絶対エースなのだ。

 これは、なかなかなれるものではない。今までの実績、人気、試合内容、いろいろな要素が混ざり合ってこそ完成する。

 コロナ禍前の年末年始の興行ラッシュの時、関本は1週間ほど連続で、毎日後楽園ホール大会に参戦していた。昼、夜のダブルヘッダーの日もあった。「後楽園ホールに住んでいるのでは?」とささやかれたほど、連日のように後楽園ホールにその姿があった。

 大日本のみならず、いろいろな団体から引っ張りだこだからだ。名勝負製造機と異名を持つ関本ならでは、である。

 もちろん、そんな関本を相手にして防衛した中之上は素晴らしい。「初対戦から11年。関本さんに勝てるなんて思ってなかったから、本当にうれしい」と、万感胸に迫るコメントを発している。もともとこの1戦は王者・中之上からの逆指名により実現した。「関本を倒さなければ」という熱い思いがあったからで、喜びもひとしおだろう。

 勝った中之上も素晴らしいが、負けた関本もまた素晴らしい。試合後はノーサイド。「また精進してベルトを目指します」と、あくまで謙虚な関本にファンの支持が集まる。

次のページへ (2/3) 大日本の試合では「負け=敗者」とはならない
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