母は日活ロマンポルノの大スター…29歳女優が表現の大胆演技「母には憧れと尊敬」

監督になる思いは「消えていない」という行平あい佳【写真:荒川祐史】
監督になる思いは「消えていない」という行平あい佳【写真:荒川祐史】

前作の“奴隷”役とは全く違う顔…濡れ場には一切抵抗なし

 夫スギちゃん役は半身不随の障害を持つ舞台俳優の荻田が演じた。「撮影期間は7日間と短く、荻田さんは動くのにも時間がかかりました。でも、けっして急いで撮ろうというような現場ではなかったです。萩田さんは本読みでも同じことを1回もしなかったので、こういう感じなんだなとつかんでいきました」。

 劇中では、スギちゃんと不倫相手ユキオの2人との濡れ場もあるが、前作の“奴隷”役とは全く違う顔を見せる。「あの作品は受動的なヒロインでしたからね。スギちゃんとのシーンは主導的。そこに対する面白みはすごくありました。一方、喜いちさんとのシーンは普通の恋人たちのように演じました」

 濡れ場には一切抵抗はないというが、それはロマンポルノのスターだった母のDNAなのかもしれない。「母の作品を見始めたのは大学に入ってからです。もちろん、幼い時に見るようなものでもありませんしね。濡れ場がある作品は数多ありますし、好きな作品がたくさんあって、憧れと尊敬があります。だから、自分もそういう作品ができたらいいなって、ただそれだけです。ロマンポルノになじみができたのはここ5年くらいの話なので、今も勉強しています」

 もともとは監督志望だったが、転身もあるのか。「今のところ、その気持ちは消えてはないんですが、城定さんや越川さんだけではなく、いろんな監督とお会いして、生半可な気持ちでやれるもんじゃないんだぞと自分に言い聞かせています。やるときは準備してやりたいなと思っています」。そんな行平が女優と監督の二足のわらじを履く日も、そんなに遠くないかもしれない。

□行平あい佳(ゆきひら・あいか)1991年8月8日、東京都出身。2014年に早稲田大学を卒業後、フリーの助監督として2年間撮影現場で働いた後、絵コンテライターに転身。さらに、念願の女優活動を本格化させる。TBS系ドラマ「コウノドリ」や連続テレビ小説「スカーレット」、映画「素敵なダイナマイトスキャンダル」、「タイトル、拒絶」などに出演し、官能映画3部作の第2弾「ご主人様と呼ばせてください 私の奴隷になりなさい・第2章」でヒロインに抜てきされた。

※春風亭喜いちの「喜」の正式表記は七が3つ

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