高級食パン「銀座に志かわ」が100店舗達成 仕掛け人に聞く急成長の理由と開発秘話
ここ最近、話題になることが急増した高級食パン。コロナ禍も手伝って、「外食が難しいなら食パンくらいは…」という層が増加した結果、その需要は飛躍的な伸びを示している。中でも創業から3年かからず、日本全国に100店舗を構えるまでに至ったのが「銀座に志かわ」(本店=東京・銀座)だ。そこで今回はその“仕掛け人”でもある「銀座に志かわ」の高橋仁志社長を直撃。「銀座に志かわ」の掲げる「水にこだわる高級食パン」を開発した経緯とこれまでの戦略、今後の見通しを含め、幅広く話を聞いた。
1日に300本、月にすると1万本を売り上げる
ここ最近、話題になることが急増した高級食パン。コロナ禍も手伝って、「外食が難しいなら食パンくらいは…」という層が増加した結果、その需要は飛躍的な伸びを示している。中でも創業から3年かからず、日本全国に100店舗を構えるまでに至ったのが「銀座に志かわ」(本店=東京・銀座)だ。そこで今回はその“仕掛け人”でもある「銀座に志かわ」の高橋仁志社長を直撃。「銀座に志かわ」の掲げる「水にこだわる高級食パン」を開発した経緯とこれまでの戦略、今後の見通しを含め、幅広く話を聞いた。(取材・文=“Show”大谷泰顕)
――「銀座に志かわ」は創業3年かからずに100店舗を開店しました。
高橋社長「ありがとうございます。銀座本店をオープンしたのが2018年9月13日なので、2年7か月で102号店目(4月22日、葛西店を開店)を開店することができました。当初の目標は3年で100店舗を目指そうと。その点では『3年で100店舗』という計画より5か月前倒しの計画になって。無事に第一次出店計画の目標はクリアできた感じですね」
――飛躍的な成長ではないでしょうか。
「『銀座に志かわ』を立ち上げる際の目標の一つに『高級食パンのトップブランドを目指す』というのもあったんですけど、現段階では47都道府県のうち、35都道府県になっているので、残り12県が残っているんです。それだけ残っているってことは、まだ『高級食パンのトップブランド』とは言えません。ですので次はそこに向かって進んで行こうと。また、第二次出店計画としては、さらに100店舗くらいは上積みしていきたいなと思っています」
――2年7か月で100店舗ということは、単純計算で5年あれば200店舗と考えられますね。
「そうですね。現時点では高級食パンのトップの『乃が美』さんは200店舗を超えています。その点でいうと、我々がスタートした時点で『乃が美』さんが100店舗だったのが、今200店舗を超えている。つまり我々も増やしたけど、乃が美さんも増やしている。そういう意味では、店舗数で日本一を目指すというよりも、高級食パンといえば『銀座に志かわ』と言われるように、トップブランドを目指していく感じですね」
――素朴な疑問ですけど、事業計画を立てたとはいえ、本当に3年で100店舗行くと思っていましたか?
「2018年9月13日の段階では、『目標は1日に300本は売る』と言っていましたけど、広告宣伝にお金をかけたわけではないので、オープンしたら本当にお客さんに来ていただけるのか。非常にそこが心配でしたね」
――それがふたをあけたらすごいことになっていた?
「午前10時にオープンするのが、その1時間前にはすでに100人はお客さんが並んでいる状態だったからびっくりして。そこから毎日300本。今では1日に1000本の食パンを毎日『完売御礼』で売ることができています」
――1日に1000本ですか(1本は二斤で税込み864円)。
「今、102店舗(4月30日現在)を出店していますけど、どの店舗も1日に300本、月にすると1万本を売り上げます。これが基本です。銀座本店に関しては、これまで雪の日、雨の日もありましたけど、ここまでは1日に1000本を売り切ってきていますね」
――それだけの反響の一端は、良くも悪くも新型コロナの影響が強いと思うんです。
「そうですね。飲食業全般にとってはコロナが大打撃を与えて、壊滅的な状況になった店もたくさんあるかもしれない。そんな状況でも『銀座に志かわ』はそうではなかった。それはステイホームが叫ばれたこともあって外食することは減ってしまったけど、その分、プチぜいたくで少しはいい食パンを食べようという消費者の方々が考えた結果だと思います。それと高級食パンを買ってきて、自宅にある食材との食べ合わせをする、という食べ方もありますしね。内訳で言うと、そういった需要が半分。もう半分は贈答品用に『銀座に志かわ』を買って渡す、という感じですね」