【プロレスこの一年♯44】蝶野正洋とnWo、小川直也プロレスデビュー 桜庭「プロレスラーは強い」 97年プロレス
今から24年前、1997年のこの時期、新日本プロレスが大阪ドームで初めてのプロレス興行を開催した。新日本が同地に進出したのは5月3日。この年、新日本は東京、名古屋、大阪、福岡の4大ドーム(全5大会)を実現させている。同年は、グレイシー一族を中心とする総合格闘技の波がプロレス界に本格侵攻。新日本は92年バルセロナ五輪柔道銀メダリストの小川直也をプロレスのリングに上げ、蝶野正洋のnWo旋風がプロレス界を守る追い風となった。今回は、97年のマット界を振り返る。
猪木が17年ぶりにウイリアムスと一騎打ち
今から24年前、1997年のこの時期、新日本プロレスが大阪ドームで初めてのプロレス興行を開催した。新日本が同地に進出したのは5月3日。この年、新日本は東京、名古屋、大阪、福岡の4大ドーム(全5大会)を実現させている。同年は、グレイシー一族を中心とする総合格闘技の波がプロレス界に本格侵攻。新日本は92年バルセロナ五輪柔道銀メダリストの小川直也をプロレスのリングに上げ、蝶野正洋のnWo旋風がプロレス界を守る追い風となった。今回は、97年のマット界を振り返る。
芸能界屈指の肉体派が絶賛する驚きのトレーニングアイテムとは?
新日本恒例の1・4東京ドームでは、アントニオ猪木の「ファイナルカウントダウン」第6戦が行われ、80年2月27日の「格闘技世界一決定戦」で対戦したウイリー・ウイリアムスと17年ぶりの一騎打ち。試合は猪木がグラウンド・コブラツイストで決着をつけた。新日本と大日本プロレスの対抗戦も行われ、新日本が3勝1敗で勝ち越し。獣神サンダー・ライガーがウルティモ・ドラゴンを破り、ジュニア8冠が大移動。ライガーはザ・グレート・サスケ、ウルティモに次ぐ第3代王者となり、8本のベルトを初めて新日本にもたらした。ドーム降臨のグレート・ムタは、パワー・ウォリアー(佐々木健介)との一騎打ちで敗戦。メインは橋本真也VS長州力のIWGPヘビー級王座戦で、橋本が防衛に成功した。
2月になると、蝶野率いる狼群団がアメリカWCWのユニットnWo(ニュー・ワールド・オーダー)と合体。蝶野はnWoを日本に輸入し、大旋風を巻き起こすこととなる。3月7日には小川のプロレスマット登場が発表され、4・12東京ドームで橋本との異種格闘技戦に登場。試合は小川が勝利したが、5・3大阪ドームではIWGP王座を懸けて再戦。ここでは橋本が雪辱に成功し、新日本の至宝も守り抜いた。同大会では猪木がタイガーキング(初代タイガーマスク)にカウントダウン第7戦で勝利。nWoのケビン・ナッシュ&スコット・ホールが蝶野と合体し、武藤敬司&スタイナー・ブラザーズ組を破ってみせた。また、欧州遠征から帰国のケンドー・カシンが凱旋試合を行ったのもこの大会だった。
夏の「G1クライマックス」では8・3両国で佐々木健介が天山広吉を破り、初優勝を達成。8・10ナゴヤドームでムタVS小川の異色対決が実現し、小川を魔界に引きずり込んだムタが勝利した。G1覇者の健介は8・31横浜アリーナで橋本を破り、IWGPヘビー級王座を初戴冠。9・23武道館ではムタが素顔の武藤敬司となり、nWoに合流した。
11月2日には、この年5度目のドーム大会が福岡ドームで開催され、健介が引退を表明していた長州にシングル初勝利。この年、関連グッズがプロレス史上空前の売り上げを記録したnWoは、武藤&蝶野組で年末の「SGタッグリーグ戦VII」を制して有終の美。最終戦は12・8大阪で、橋本&中西学組を退けての優勝だった。
全日本プロレスでは1・20大阪で三沢光晴が小橋建太を破り三冠ヘビー級王座を自身3度目の奪取。前年7月に初戴冠を成し遂げた小橋からベルトを引っぺがしてみせた。しかし、小橋は3・28長岡での「チャンピオン・カーニバル」公式戦で三沢からシングル初勝利。4・19武道館での優勝戦は史上初の三つ巴決戦となり、三沢、小橋を連破した川田利明が2度目の優勝を成し遂げた。川田は田上明とのコンビで「世界最強タッグ決定リーグ戦」も制覇。12・5武道館の最終戦で、三沢&秋山準組を破っての優勝だった。