アカデミー賞助演女優賞のユン・ヨジョン 73歳でつかんだ栄冠と“芸能界引退”波乱の人生
演技だけでなく料理も抜群 テレビ番組では食堂“経営”
アカデミー賞助演女優賞受賞の知らせに日本でも人気のドラマ「梨泰院クラス」に主演したパク・ソジュンは所属事務所を通して「先生の受賞をお祝いします」と祝福。「パラサイト 半地下の家族」の主演を務めたチェ・ウシクは「授賞式を見て胸がいっぱいになりました」、映画「82年生まれ、キム・ジヨン」で知られる女優のチョン・ユミも「誇らしいです」と感激のコメントをそろって発表した。
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実はこの3人はケーブルチャンネルtvNの人気番組「ユンステイ」(2021年)でヨジョンと共演していたのだ。同番組は韓国全羅南道・求礼(クレ)の韓国伝統家屋式ゲストハウス「ユンステイ」を訪れる外国人に客室と手作り料理をサービスする、という設定のヒーリング・リアルバラエティー。韓国の名だたる名優がひたすら真剣に料理を作る姿についつい引き込まれてしまう。
「ユンステイ」は、インドネシアやスペインで食堂をオープンし現地の人々に韓国料理の魅力を伝えた番組「ユン食堂」の続編。メインシェフは番組タイトルにあるようにヨジョンが務めてきた。最近、日本のネットチャンネルで放送された「ユンステイ」でヨジョンは体に良いアウク汁(野菜の王様とも呼ばれる「冬葵(ふゆあおい)」のスープ)を調理。米のとぎ汁に味噌とコチュジャンをこし器でよく溶いて投入。そのかたわら、ユミが作る宮廷トッポッキとコチュジャンプルコギの調理具合を見守り、最後に鍋に冬葵を入れてアウク汁を完成させた。
途中、紫芋のブガク(韓国伝統精進菓子)や鶏肉の下揚げをテキパキこなすソジュンにヨジョンが「本当に頑張ってるね。この店を譲るよ」と押し付けようとすると、ソジュンが「あー、私は経営に向いてないです」と苦笑する場面も。「ミナリ」で演じた祖母を彷彿させるぼやきが番組のかっこうの“味付け”となっている。前シリーズの「ユン食堂・パート1」(2017年放送)ではインドネシア・ギリ島に小さな韓国食堂をオープンするという企画で、ヨジョンは世界各国からの観光客にパジョンやチキン料理をふるまうなど“シェフ”として食堂を切り盛りした。もともと料理は苦手だったというが、同シリーズでの修業を通してプロ級の腕前となった。
73歳にして引っ張りだこのヨジョン。ちなみに受賞作「ミナリ」とは、野菜の「セリ」を意味する韓国語で、「たくましく地に根を張り、2度目の旬に食べるのが最もおいしい」とされている。まさに、不屈の女優・ヨジョンにふさわしい言葉だ。