レジェンド・秋山準の脳天にタライをぶつけたイケメンレスラーが言いたい放題【連載vol.38】
「酒はないのか? ガソリン(アルコール)を入れないと、俺はしゃべれないぞ」と高尾蒼馬。姿が見えない今林久弥ゼネラルマネジャーに「勝手に仕事(このインタビュー)を入れやがって」と逆ギレする始末。ミネラルウォーターやお茶では、口が回らないらしい。
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「酒はないのか? ガソリン(アルコール)を入れないと、俺はしゃべれないぞ」と高尾蒼馬。姿が見えない今林久弥ゼネラルマネジャーに「勝手に仕事(このインタビュー)を入れやがって」と逆ギレする始末。ミネラルウォーターやお茶では、口が回らないらしい。
とはいえ、DDT5・4東京・後楽園ホール大会で、挑戦するユニバーサル王者・上野勇希に「負ける気はしない。弱い挑戦者ばかり選んできたようだが、それも終わりだ」とキッパリ言い放った。
シラフでは無口だという高尾。話すのは「好きか嫌いか、どっちかのことだけ。関心のないことは一切、しゃべらない。上野は嫌いだから、ついつい口に出てしまう」と顔をゆがめた。
高尾は上野の7年先輩。これまで上野に負けたことはない。「要するに、俺から逃げ回っていたが、ついに捕まったということだ。アイツが下げたベルトの価値を俺が高めてやる」と、すっかり飲み込んでいる。
CIMAに憧れ、学生プロレスでBIMAと名乗り暴れ回った後にプロ入り。プロレスラーとなってCIMAと夢の対決を果たしたが、勝利を上げられないままだ。上野に勝利しユニバーサル王者として「CIMAの挑戦を受けて立ちたい」と意気込む。王座奪取は当然のことであり、5・4決戦はさらなる高みに昇っていくためのステップに過ぎないのだ。
先日の調印式では、上野に飲みかけのストロングチューハイ9%を、頭からぶっかけている。「今、思えばもったいないことした。でも、500ミリリットル缶を3本、一気に飲んでいたから、まあいいか」と高笑い。
ほぼ毎日、酒を飲んでいる。ビールは最初の一杯だけ。ストロングチューハイ9%のグレープフルーツ味500ミリリットル缶を、次々と飲み干すことが至福なのだ。
「いいか、俺はグレープフルーツ味だぞ。それしか飲まないからな。レモン味を持って来たら逆ギレするからな」と怖い顔。差し入れは「ストロングチューハイ9%のグレープフルーツ味に限る」と断言する。「350ミリリットル缶じゃないぞ。500ミリリットル缶だからな」と、高尾にとっては重要な注文も忘れなかった。
得意技の変型パイルドライバーも、酒の名前「ジントニック」と名付けた。ジントニックはもちろん大好きだが「おいしいお店でしか飲まない」とこだわっている。
お酒の名前が付いた技といえば「浦霞」「スクリュードライバー」「テキーラサンライズ」などいろいろあるが、高尾が新技を繰り出したら新たな酒の名前が付けられるはず。しかもアルコール度数の高い酒の名前だろう。エバークリアか、スピリタスか。
試合前にワインや黒ビールを飲んで血行を良くするというのが、伝統的なヨーロッパスタイル。また、テキーラなど度数の強い酒を飲みながら戦う「アルコール・ドランカーマッチ」もある。高尾の酒好きはどのような形に昇華するのだろうか。
CIMAとともに尊敬する先輩、鈴木鼓太郎が東京・上野で開いているバー「JIN」に出勤。コロナ禍で今はなかなか難しいが、毎週水曜日にマスターを務めている。「プロレスも生き方も鼓太郎さんには憧れる」とキッパリ。確かに好きなことには饒舌だ。