稲垣吾郎、実在の死刑執行人役で「よい緊張感」 仏革命描いた主演舞台が23日初日公演

俳優の稲垣吾郎が22日、東京・東池袋の東京建物ブリリアホールで行われた主演舞台「サンソン―ルイ16世の首を刎ねた男―」の公開けいこに出席した。

主演舞台「サンソン―ルイ16世の首を刎ねた男―」の公開けいこに出席した稲垣吾郎
主演舞台「サンソン―ルイ16世の首を刎ねた男―」の公開けいこに出席した稲垣吾郎

主演舞台「サンソン―ルイ16世の首を刎ねた男―」の全国公演スタート

 俳優の稲垣吾郎が22日、東京・東池袋の東京建物ブリリアホールで行われた主演舞台「サンソン―ルイ16世の首を刎ねた男―」の公開けいこに出席した。

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 18世紀フランス革命を舞台に、国王ルイ16世や王妃マリー・アントワネットらを断頭台で処刑した実在の死刑執行人で医師のシャルルーアンリ・サンソン(稲垣)の葛藤と人間の生死を正面から描いた重厚なストーリー。

 苦悩しながらも強い精神で社会変革を進めた孤高の男・サンソンを演じた稲垣は「久しぶりの新作舞台になり、よい緊張感でけいこを続けることができました。フランス革命期に実在した死刑執行人『サンソン』は、僕がぜひ演じてみたいと思っていた人物でもあります。重い時代の中でも、社会を良くするために職務に忠実に生きたサンソンという人物を精いっぱい演じたい」とコメントした。

 熱心なカトリック教徒であり「人間の生死を決められるのは神だけではないのか」、「死刑制度はなくさなければならない」と自問自答しつつも自らの職務をまっとうしたサンソンは、世間からは忌み嫌われながらも内心は完全な死刑廃止論者だった。

 当時、死刑は貴族なら斬首、一般庶民なら絞首というように、身分によって処刑の仕方が異なっていたが、サンソンは人間平等の思想から身分の差が苦痛の差にならないよう、「誰にでも平等に苦痛を感じさせない死を」とギロチン(断頭台)の開発に一役買った。ギロチンの発明で処刑スピードが上がり、サンソンは世界で2番目、計約3000人もの死刑を執行した、とされる。

 舞台では、サンソンが断頭台開発をめぐって国王ルイ16世と交流したり、ルイ16世の命を守るために奔走する姿も描かれている。職務と理想の間で揺れ動くサンソンの姿は、閉塞した現代を生きる人々の姿にも通じている。

 演出の白井晃氏は「当初、このような時世の中で、これほどエネルギーを必要とする作品を作ることが本当にできるのか、大きな不安を持ちながら創作は始まりました。民主政治の源流となったフランス革命の熱と、その時期に実在したサンソンという死刑執行人の苦悩の物語を語るには、余りにも状況が不向きのような気がしたからです」としながらも、「今、死神のように恐れられたシャルルーアンリ・サンソンの心の奥底に流れる優しさに触れることができた気がします」と上演の意義をアピールしている。

 共演は中村橋之助、橋本淳、牧島輝、田山涼成、榎木孝明ら。脚本は中島かずき(劇団☆新感線)。原作は安達正勝「死刑執行人サンソン」(集英社新書刊)。

※公演日程
[東京公演]4月23日~5月9日 東京建物 Brillia HALL
[大阪公演]5月21日~24日 オリックス劇場
[福岡公演]6月11日~13日 久留米シティプラザ
[横浜追加公演]6月25日~27日 KAAT 神奈川芸術劇場

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