「LGBTなんてくくりがまずいらない」ゲイバー店員・カマたくが指摘する“違和感”

年々、LGBT(性的少数者)への関心が高まる中、24日からはLGBTを始めとしたセクシャルマイノリティーの祭典、「東京レインボープライド」が開催される。今年3月には札幌地裁で「同性婚が認めないことは法の下の平等を定めた憲法に違反している」という判断が初めて示されるなど、マイノリティーを取り巻く環境はまさに過渡期を迎えているといっていいだろう。今後、社会はどのような方向を目指すべきなのか。4月6日に自身2冊目の著書「お前のために生きてないから大丈夫です」(KADOKAWA)を出版、軽快なテンポで世間をぶった切る動画でも人気を博している“歌舞伎町イチ癖がすごいゲイバー店員”カマたくに、LGBT当事者としての見解を聞いた。

“歌舞伎町イチ癖がすごいゲイバー店員”カマたく【写真:ENCOUNT編集部】
“歌舞伎町イチ癖がすごいゲイバー店員”カマたく【写真:ENCOUNT編集部】

SNSで同性愛や過去の売春経験などを赤裸々に告白

 年々、LGBT(性的少数者)への関心が高まる中、24日からはLGBTを始めとしたセクシャルマイノリティーの祭典、「東京レインボープライド」が開催される。今年3月には札幌地裁で「同性婚が認めないことは法の下の平等を定めた憲法に違反している」という判断が初めて示されるなど、マイノリティーを取り巻く環境はまさに過渡期を迎えているといっていいだろう。今後、社会はどのような方向を目指すべきなのか。4月6日に自身2冊目の著書「お前のために生きてないから大丈夫です」(KADOKAWA)を出版、軽快なテンポで世間をぶった切る動画でも人気を博している“歌舞伎町イチ癖がすごいゲイバー店員”カマたくに、LGBT当事者としての見解を聞いた。(取材・文=佐藤佑輔)

――SNSで同性愛や過去の売春経験などを告白した理由は。

「高校時代の友達から、『お前は絶対に何かを発信したほうがいい』と言われたから。私、今まで自発的に何かをやったことって一度もないの。お店で話してた身の上話をして、そしたらすごい反響があった。でも、ぶっちゃけ『へえー』って感じ。世の中こういうのが新鮮なんだ、言われてみたら、まあ物珍しい生い立ちかもねっていうくらいよ」

――一方でSNS上の自分と実際の自分とのギャップからくる悩みも投稿している。

「お店での営業中でもギアって入るじゃない。仕事のときと気の置けない友達といるときでキャラ違うよねって誰にでもあることで、当然それはその人の一面でしかないわけ。でも、有名になるとその一面しか見られなくて、人として見られてないなって感じることも多い。仕事ならいいのよ? でもプライベートでも、『有名人のカマたくと仲良くなりたい』ってアクセサリー感覚で近づいてくる人が多くて。そういう連中はツイッターをやめたら全員いなくなると思う」

――SNSで発信を続ける理由は。

「やめどきが分からないだけ。お店のお客さんはほとんどが私を知って来てくれてるし、うちの店の若い子たちにも生活がある。お客さんが来るきっかけになるのならと思って続けてるわ。いずれやりたいことが見つかったときに役に立つし、今はやれるところまではやろうかなと思ってる」

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