熊本地震から5年 高良健吾、光石研らが集結、くまもと復興映画祭が開幕
「えがおPRESENTS くまもと復興映画祭2021」が16日、熊本市・熊本城ホールで開幕し、オープニングセレモニーでは映画祭ディレクターの行定勲氏、熊本出身の俳優・高良健吾、光石研らが登壇した。この日は2016年4月16日、熊本地震でマグネチュード7.3、震度7の本震を記録した日で、多数の犠牲者に向け、黙祷が捧げられた。
行定勲氏、高良健吾、光石研らが登壇
「えがおPRESENTS くまもと復興映画祭2021」が16日、熊本市・熊本城ホールで開幕し、オープニングセレモニーでは映画祭ディレクターの行定勲氏、熊本出身の俳優・高良健吾、光石研らが登壇した。この日は2016年4月16日、熊本地震でマグネチュード7.3、震度7の本震を記録した日で、多数の犠牲者に向け、黙祷が捧げられた。
同映画祭は、風光明媚な自然と温泉地で知られる菊池市で開催した「菊池映画祭」が前身。16年4月の熊本地震を機に、17年以降は菊池市と熊本市内の2つを会場とし、毎年4月に開催。コロナ禍に見舞われた昨年は10月に延期し、全国の映画祭が軒並みオンラインに切り替える中、熊本市内を会場に客入れのイベントとして実施した。
現在も、コロナの変種が全国で猛威を振るっているが、スタッフ、ゲストだけでなく、取材記者も簡易キットによる抗原検査を実施。県内ではこの日、12人(いずれも熊本市内)の新規感染者が発表されたが、約70人に行った検査では陽性者はいなかった。
オープニング作品は、行定監督が熊本地震の3日間をめぐる熊本の人々の姿を描いた39分の短編映画「いっちょんすかん」。行定監督は「震災から5年の節目という年。熊本の人たちは震災のときの連帯をコロナに生かしている。今年も、映画祭を『やる』『やらない』の話はあったが、『ぜひやってほしい』との声に後押しされた。熊本はコロナでも頑張っている。感染者を抑えることができたので、映画祭が開催できた。『いっちょんすかん』はまったく好きじゃないという熊本弁だが、そんな人達でも、ちょっと手を取り合えれば、乗り越えられるものがあるという思いを込めた」と話した。
2本のオープニング作品「いっちょんすかん」と「くれなずめ」(監督・松居大悟)に出演した高良は「久しぶりに熊本に帰ってきました。映画祭が続けられるのは、みなさんのおかげ」と言い、「由宇子の天秤」(17日上映)で参加の光石研は「『おじいちゃん、死んじゃったって。』という映画では(熊本県)人吉市のみなさんによくしていただきました。去年は豪雨で大変なことになったので、差し入れを持っていったり、いまだに交友が続いています。熊本の方々のふくよかな県民性が大好きです」と話し、拍手を浴びていた。
最後に、映画祭実行委員会名誉会長の大西一史・熊本市長は「本震から5年という月日が経ちました。当時を思い出すと、今も胸がドキドキします。映画の作り手の皆さんと一体となって、素晴らしい映画を心から楽しんでください」と締めた。
「くまもと復興映画祭」は18日までの3日間、開催される。