高身長コンプレックスを武器に女子プロレスラーで飛躍 “元ミスコン”帰国子女の素顔
「女王様? 実は妹気質」というインターナショナル・プリンセス王者の上福ゆきだが、憧れの人は和田アキ子。狙うは女子プロレスいや日本プロレス界の頂点なのだ。
東京女子プロレスで角田奈穂の挑戦を受けV3戦に臨む
「女王様? 実は妹気質」というインターナショナル・プリンセス王者の上福ゆきだが、憧れの人は和田アキ子。狙うは女子プロレスいや日本プロレス界の頂点なのだ。
東京女子プロレスの4・17後楽園ホール大会で角田奈穂の挑戦を受けV3戦に臨む上福。調印式では角田を「普通の人」と繰り返し指摘した。
実は上福は14歳から18歳まで米国オハイオ州に家族とともに住んでいた帰国子女。日本人は珍しい土地で、英語も話せず「最初の1年は透明人間だった」と振り返る。
自分の意見をはっきりと主張しなければ相手にされない、ということを学び、とにかくアピールするように心がけた。その結果、現在の上福の土台が出来上がり、帰国後は帰国子女枠特別入試を突破し、学生となった。たっぷりと「港区ライフ」を楽しみ、六本木や西麻布で「クラブ」活動に励んだ。
ミスコンから芸能界入りしたものの、何か物足りない。傍からは十分に人生をエンジョイしているように思えるが、上福本人は「これでは結婚して子どもが出来ても『お母さんは○○してきたのよ』と、話せることがない」と思い悩んでいた。
そこで173センチの長身を生かせるプロレス入り。2017年にデビューを果たした。「妹気質を生かして、先輩の方々にかわいがっていただき、もちろん厳しくもあるけど、楽しんでやっている」と、レスラーとして充実した時間を過ごしている。
プロレスラーそしてプロレスに関わっている人たちは、頑張っている。だからこそ「もっともっとスポットライトが当たるべき」という思いが強まっている。思えば挑戦者・角田への手厳しいコメントも、世間の目を集めたいがためのこと。
「173センチの身長も、昔はコンプレックスでしかなかった。ハイヒールも履けなかったし、背中を丸めていた。でも、和田アキ子さんの生き方を知って、私も堂々と胸を張れるようになった。この身長を生かしていく道はいくらでもある」と、上福の目がますます輝き始めた。
客寄せパンダでいい。自分が気になって会場に来てくれる人が1人でも増えて、その人が他の選手のファンになってもいい。ただ、ベルトは失うわけにはいかない。
「ここでベルトを失ったら、私、隠すものがなくなってしまうので」とおちゃめに笑った。25日にDVD「Strong Princess」が発売(現在、予約受付中)されるが、ベルトと左手で胸を隠しているポーズも収録されている。「ベルトがなくなったら、パンツ一枚」と豪快に笑い飛ばした。
加えて、防衛戦を重ねて行けば、発言力も増す。東京女子のリングはピンク色だが、上福の趣味ではない。「私のコスチュームに合わせて、デニムのブルーにしてほしい」と声を大にした。
会場に流れるアイドルグループの曲も気に入らない。「ここはクラブミュージックしかない」と強硬だ。ジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデを推奨する。
上福はテキーラを30杯、飲みほし、西麻布の路上で寝ていたこともある酒豪。まさに和田アキ子流で東京女子プロレスに、さまざまな革命を起こす準備を着々と進めている。