コロナで困窮…外国人女性からのDV相談4倍に 日本人夫が脅迫「オレがビザを与えている」

新型コロナウイルスの感染が再び拡大し第4波入りが懸念されている。外出自粛や飲食店への時短要請が続くなど経済活動の停滞は社会的立場の弱い在留外国人を直撃しており、窮状を訴える声が行政に次々と寄せられている。彼ら彼女らが抱える困難について外国人相談を行っている「一般社団法人レガートおおた」(東京・大田区)の理事・石井さわ子さんに聞いた。

大田区にある羽田空港。観光客の激減で多くの在留外国人が職を失った【写真:Getty Images】
大田区にある羽田空港。観光客の激減で多くの在留外国人が職を失った【写真:Getty Images】

コロナで生活困窮の相談は5~6倍に急増

 新型コロナウイルスの感染が再び拡大し第4波入りが懸念されている。外出自粛や飲食店への時短要請が続くなど経済活動の停滞は社会的立場の弱い在留外国人を直撃しており、窮状を訴える声が行政に次々と寄せられている。彼ら彼女らが抱える困難について外国人相談を行っている「一般社団法人レガートおおた」(東京・大田区)の理事・石井さわ子さんに聞いた。(取材・文=鄭孝俊)

――羽田空港を擁する大田区は、約2万5000人の地域在住外国人(住民基本台帳ベース)との相互理解や多文化共生の環境作りを進めています。外国人からの生活相談の内容はコロナ前とコロナ後ではどのように変化していますか?

「相談者数は多い時で通常の2倍、件数は3倍超、労働問題の相談は4~5倍、生活困窮の相談は5~6倍に急増しています。大田区の窓口業務では非正規雇用の外国籍の方からの相談が以前から多く、コロナ禍による労働環境悪化に伴う雇用関連の相談や給付金の手続きに関する相談が増えていてその内容も深刻化しています」

――大田区ならではの特徴は?

「羽田空港関連のホテル、レストラン、機内食などを作る調理食品工場などの業種に就いている外国籍住民が数多くいらっしゃいました。しかし、正規雇用でも社会保険がないなど、もともと劣悪な労働環境、脆弱な生活基盤だったところにコロナの感染拡大で一気に生活が悪化したというケースが多数見られます」

――具体的には?

「雇い止めにあって家族4人暮らしで貯金が2万円しか残っていないという相談や、これはブラジル国籍の方のケースですが、所持金がほとんどなくて駅やコインランドリーで寝泊まりしていたという事例もありました。こういった方々には、在留資格上可能であれば、生活保護の申請を勧めますが、申請先は住民登録している住所の自治体となります。相談者の中には住民登録地が大田区から離れているケースもあり、生活保護の申請のために、住民登録をしている自治体に行くまでの交通費を捻出することすら厳しい状況です」

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