だから高校野球は面白い! 高校野球大好き芸人・かみじょうたけしの熱~い選抜選手秘話
選抜大会を振り返り印象的な試合は…
試合はどれも印象的でしたけど、3つ挙げるとしたら、まずは22日第1試合の大分・明豊高校対兵庫・東播磨高校戦。東播磨は僕の地元・兵庫の公立高校で、今回、21世紀枠で初出場。この初戦で10対9で負けてしまいましたけど、結局、明豊は準優勝しましたからね。その明豊と互角の戦いをしたというのはすごい。ランナーがピッチャーにプレッシャーをかけたり、西兵庫で盛んな軟式野球のような戦法をとったりして、福村(順一)監督の野球――相手が嫌がる野球をやって、いかに差のある相手に力を出させないか、という野球をやったからこそやと思います。
それから、5日目の24日第2試合の宮城・柴田高校対京都・京都国際高校戦。京都国際高校が5対4で勝利したんですけど、外国人系の民族学校がルーツの学校が高野連に加盟が認められたのも史上初やし、近畿地区大会ベスト4の堂々の成績で選抜初出場、延長戦を制して初勝利を収めた。流れた校歌が韓国語で、それももちろん史上初。アルプススタンドで40~50代の男性が泣いていて、元球児なんか子どもが球児なんか分かりませんけど、思いの強さを感じました。5日目は第1試合で今大会初ホームランが出て、3試合目では春初めてのタイブレークになったり、と初尽くしの1日でしたね。
大分・明豊対神奈川・東海大相模の決勝戦も1点差の好ゲームでした。名門校同士の戦いで、東海大相模はエース・石田(隼都)くんが26回43奪三振、防御率0、フォアボール1と、江川卓さんと比較されるほどの好投手で、前評判は東海大相模。もっと差が付くかと思っていましたけど、疲れのあった石田クンはリリーフに回り、明豊の守備が良かったこともあり、9回劇的サヨナラ、3対2で東海大相模が競り勝ちましたね。
気になった長崎の離島の高校へ取材に出かけた
心に残っている選手は、長崎・大崎高校のライト・乙内翔太くんかな。大崎高校は大島という離れ小島にある県立高校で、市長が「甲子園に」と清水(央彦)監督を招へいして、今回、初出場したんですけど、監督就任前の17年秋は野球部員5人。そんな学校が20年秋に九州大会で優勝して選抜初出場ですよ。すごい気になってて、この2月終わり頃、高校まで取材に行ったんです。
大島は高校球児にとっては海と山と高校とファミリーマートしかないような島で、球児たちは杉の木の丸太を持って走り込んだりしてて、休みの日は10キロ先にあるファミマにチャリンコで出かけるのが楽しみ、っていう(笑)。乙内くんは「僕のエナジー系はグミっす」「かみじょうさんはどんなグミが好きですか?」なんて言うほんま素朴な子やったんですけど、九州大会では、今回準優勝した明豊高校と対戦したとき5打数4安打、延長12回にサヨナラヒットを打っているんですよ。グミパワーはほんまやったんです。