休業決断のタクシー運転手 給付金申請月11万円 「頑張っている人ほど損をする」

ついに休業支援金・給付金の申請を決断 月11万円

 運転手は「家族の生活を思いコロナ禍でも必死に働いてきましたが、飲食店への時短要請が解除されるまでは戦々恐々の日々が続きそうで、さすがに疲れがたまり仕事を休みたくなりました」と吐露し、「心身の休養のため大阪労働局に新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の申請をしました」と打ち明けた。

 1日当たりの支給額の上限は1万1000円。この運転手は1か月のうち10日間の休業を申請したため審査が通れば月11万円の支援金・給付金を受け取ることができる。「休業要請に応じた飲食店への協力金支払いを見ても感じるのですが、行政の支援制度は非常にいびつだと思います。頑張っている人ほど損をして、頑張っていない人ほど得をする、そんな印象を受けています。私はこれまで頑張って走り続けてきましたが、もういいだろう、と。もらえるものはもらうことに決めました」。

社会福祉協議会からは200万円の借金 完済まで16年半

 すでに大阪府社会福祉協議会の総合支援資金特例貸付制度を利用して総額200万円を生活費として借り入れている。「毎月の返済額は1万円ですので、完済までおよそ16年半かかる計算です。16年後の日本がどうなっているのか……まったく想像がつきません。この先、どこかで返済が免除されることになれば非常に助かるのですが……」

 平常運転までの道のりがまったく見通せない現実。タクシー運転手の窮状は続く。

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