黒沢氏が作詞・作曲した「はじまりの唄」は、メンバー9人のことを思ってストーリーが描かれており、歌割がそれぞれにこまかく分けられている。矢野のソロパートの一つに「そうか私きっと　歌いたかったんだ」という歌詞があるが、なぜその箇所を任されているのか、自分なりに解釈しながら歌っていたという。

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「第2回の歌唱力No.1決定戦（決勝大会）にけがで出られなかった悔しい思いをしたなかで、第3回に出たってことは、やっぱり自分は歌が歌いたかったんだという気持ちがあったからかな、と思いました。だから、何も考えずに、自分の気持ちをそのまま歌う感じ。練習やリハーサルよりも、本番が一番気持ちよく歌えました」

　黒沢氏も「そのとおりです」と、そういった矢野の歌唱力No.1決定戦におけるバックグラウンドを調べたうえでパートを託したことを明かし、「気持ちが乗っていたから、歌詞がちゃんと聞いている人に届いたんじゃないかなと思いました」とメッセージを送った。

　矢野はファイナリストLIVE出演の経験を糧に、今後のさらなる成長を見据えている。

「メンバーみんなが熱くて、『練習しすぎだよ』って黒沢さんに言われるくらい突き詰める姿を見て刺激を受けたし、後輩の（STU48 2期研究生）池田裕楽ちゃんからも勉強させてもらいました。大好きな歌だけじゃなく、苦手な分野にも挑戦して新しいことを学んでいきたいと歌から教えてもらったので、これからの活動にも生かしていきたいです」

　死ぬまで歌う――。そんな夢を掲げている矢野だけに、歌い重ねて歌への愛情が増せば増すほど、彼女自身の輝きもいっそう増していくに違いない。