【気になる人】74歳で歌手デビューした「笑点」落語家・三遊亭好楽師匠が語る涙をポロポロ流した夜

落ち込んだ時期もあったと率直に語った【写真:荒川祐史】
落ち込んだ時期もあったと率直に語った【写真:荒川祐史】

呑気だという好楽師匠でさえ落ち込んだ時期があった

 元気でいるには、あまり深く考えないことです。あたしはB型だからかもしれないけど、若い頃からクソミソに言われても、次の日には忘れてました。そういう性格で、これは親に感謝していますね。毎日、悩んでいたらその重荷でくたびれて嫌になっちゃいますよ。師匠や先輩に小言を言われたとしても、それは絶対に愛情、気にしてくれているからだから。世の中にはもっと大変で、悩んだり悲しい経験をしたりしている人がいる。それに比べれば何てことないんです。

 そんなあたしも、落ち込んだ時期があったんですよ。40歳の頃ですかねぇ。あたしは33歳で「笑点」の大喜利メンバーになって、36歳で一度、降板して41歳で復帰したんだけど、その復帰する少し前のことです。きっかけも何もないのに、ただただすごく虚しくて、悲しくて、夜になると涙がポロポロ出るんです。落語はうまくいかないし、勉強してもダメだし、これで終わっちゃうのかな、なんて考えちゃって。でも、誰だったかが「あんただけじゃないんだよ。みんな歯を食いしばって、もがいている時期がある。それを超えないと成長しないんだよ」って。42歳が男の厄年だから、迷いや悲しみに襲われる時期だったのかもしれませんね。

 健康面では不安はありません。24、25歳のとき、急性肝炎になったことがありました。お酒が好きだから飲み過ぎたんでしょうね(笑)。40度の熱が10日間続きました。それでも我慢して着物着てタクシーで仕事場へ行ったんですけど、堪えきれず大病院へ行ったら即入院。1か月入院して8キロ痩せました。それから、「笑点」放送50周年だった5年前、メンバー全員、人間ドックへ入れられたんです。そしたら大腸にポリープが7個。3、4年前には12個もあって、全部キレイに取りました。今じゃ年1回、必ず人間ドックを受けています。孫弟子まで入れると15人もいる大所帯だから、大将のあたしが病気したら困ります。“病院嫌い”はいけませんね。

次のページへ (3/4) 背伸びせずに生きてきたのが良かった
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