松本幸四郎が祖父、叔父に続く長谷川平蔵役に「自信あります」 豊川悦司は藤枝梅安役
時代小説家・池波正太郎の代表作「鬼平犯科帳」と「仕掛人・藤枝梅安」が、それぞれ新たに映画化されることになり、12日、都内で、製作発表会見が行われた。歌舞伎俳優の松本幸四郎と、俳優の豊川悦司が出席した。
映画「鬼平犯科帳」と「仕掛人・藤枝梅安」の製作発表会見
時代小説家・池波正太郎の代表作「鬼平犯科帳」と「仕掛人・藤枝梅安」が、それぞれ新たに映画化されることになり、12日、都内で、製作発表会見が行われた。歌舞伎俳優の松本幸四郎と、俳優の豊川悦司が出席した。
「鬼平犯科帳」(2024年5月公開予定、杉田成道監督)の主人公・長谷川平蔵を幸四郎が演じる。一方の豊川は、「仕掛人・藤枝梅安1」(23年2月公開予定、河毛俊作監督)、「仕掛人・藤枝梅安2」(23年5月公開予定、河毛俊作監督)の主人公・藤枝梅安を演じることが発表された。2作は「時代劇専門チャンネル」を運営する日本映画放送、NTTぷらら、スカパーJSATが共同で手掛ける。
映像作品での長谷川平蔵は幸四郎の祖父の8代目松本幸四郎(初代松本白鸚)や叔父の中村吉右衛門も演じている。幸四郎は「5代目長谷川平蔵、松本幸四郎でございます。すこぶる興奮しております」と語ると「時代劇という職人芸でお見せしたい」とあいさつした。また、出演の話を聞いた際は「鳥肌が立つ思い」だったと紹介すると、「祖父、叔父、錦之助のおじさま、丹波さんという、とても近い存在が演じた作品でもありましたので、お話をいただいた時は喜び以上に驚きでした」と語った。さらに「やりたい、それしかなかったです。根拠のない自信が即答させました。根拠はありませんが自信はあります」と語った。
藤枝梅安を演じる豊川は「藤枝梅安というとてもとても大きなキャラクターを池波先生からお借りすることになりました。身が引き締まるどころか身が縮こまる思いではありますが、素晴らしい映画をお届けできるよう、誠心誠意、頑張る所存です」とあいさつした。
また、「僕も本当に驚きました。僕が梅安? みたいな、どうしてだろうと、自分の中でギャップがありました。子どもの頃、緒形拳さんが演じるのを見て怖いけどかっこいい夢中になった時期がありました。僕の中であこがれのヒーローでした。まさか自分がやるとは」と語った。さらに「(監督の)河毛俊作さんに名前が出てこれはやるしかないと腹をくくりました。チャレンジのしがいのある仕事を映画の神様がくれたと思いました」と明かした。
「鬼平犯科帳」は、鬼の平蔵こと火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵を主人公とする捕物を扱った物語。過去に何度もドラマ、映画、漫画、舞台化されており、映像作品では、8代目松本幸四郎(初代松本白鸚)や中村吉右衛門のほか、丹波哲郎さん、萬屋錦之介さんといった名優が平蔵を演じてきた。「仕掛人・藤枝梅安」は、殺し針で人知れず悪を葬る仕掛人としての裏の顔を持つはり医・藤枝梅安の活躍を描いたハードボイルド作品。過去の映像作品では緒形拳さん、田宮二郎さん、萬屋錦之介さん、小林桂樹さん、渡辺謙、岸谷五朗らが演じている。会場でも過去の映像が紹介された。
映像を見た幸四郎は「幸せです。それしかないです」と語ると「ひたすら幸せ」と続け「進化した鬼平を目指したい」と意気込気を示した。また「人らしさを感じでいただいて、その先に温かさ優しさを感じていただき、そこに決断力と繊細な情をもった長谷川平蔵がいるという作品を目指したい」とした。
豊川は「僕自身がかつてそうであったように、2020年代の子どもたちが見て、怖いけどかっこいいと思ってくれるヒーロー像をつくりたい」と抱負を述べた。