人気グループ「A.B.C-Z」戸塚祥太が主演を務める舞台「未来記の番人」の初日前会見が11日に行われ、本作に出演する戸塚、「SKE48」の惣田紗莉渚、俳優の松田悟志、「ジャニーズJr.」の冨岡健翔が登壇した。

　本作は、聖徳太子が残した予言書を巡る戦いの中で、主人公がさまざまな人と出会い成長していく姿を、史実を織り交ぜながらダイナミックに描いた話題作。役の心情をダンスで表現する「ダンスカンタービレ」が見どころの、青春時代活劇エンターテインメントとなっている。

　千里眼の異能を持つ主人公・千里丸を演じる戸塚は、アクロバットに定評がありダンスでも多くのファンを魅了してきたが、本格な殺陣は初挑戦。「大変なことばかり。殺陣はダンスのようにはいきませんでした。景色がまったく違うというか。ひたすら反復して、なんとかたたき込みました」と稽古を振り返った。さらに、「でも本番は何が起こるか分からない。僕、失敗する可能性大です」と笑いを誘いつつ、「ダンスカンタービレとうたっていますので、そういった群舞のほうも、しっかり見せられたら」とアピールした。

　千里丸の兄貴分・早瀬士郎左を演じる松田は、戸塚について「翔太くんを見ていて、一番びっくりしたのは、いつも稽古場に最後まで残っている。その姿勢を見ていて、頑張らなきゃいけない！　と感じた」と、座長の努力を絶賛。また、「劇場に入ってから、完全にテンションが違う。声の張り、ほとばしる情熱、全部が」と明かした。

　会見前のプレパフォーマンスでは、千里丸と紅羽（惣田）の恋心を表現するダンスシーンを披露。稽古中はマスクをして顔を合わせていたため、戸塚は惣田の“顔の下”が気になっていたと明かし、「昨日、見ることができて、引き付けられる感じ。惣田さんの顔を見ていれば、自然とダンスができる」と語った。この褒め言葉に対し惣田は、「初めてマスクをとって、目が合ったときに、どうしよう……と思いましたね」と反応。ところが戸塚は、「いや、すごい見やすい。ずっと見ていられる」と、アクリル板越しに惣田の顔を見つめてみせた。

　派手な衣装が印象的な銅吹き職人の巽を演じた冨岡は、「僕だけ明らかに毛色が違うんですよ。自分でも本当に似合っているのか分からなくて、みんなに『これ似合ってます？』と聞いていた。やっとなじんできて、のびのびとやっています」と笑顔。戸塚も冨岡の衣装について、「やっと見慣れた。最初、X JAPANの方かと思って、びっくりした」と、うまい例えで笑いを起こした。

　そんな冨岡は、戸塚との共演に緊張していたことを告白し、「目を見て芝居をする時、戸塚くんの目の奥が純粋すぎて、すべてを見透かされているんじゃないか、という感じがした。そのいい圧に負けないようにするのに必死でした。一瞬たりとも気が抜けない」とコメント。惣田も「本当に千里眼あるんじゃないですか？　目がすごいんです」と続いたが、戸塚は「なにも考えていないだけです」と、少し照れくさそうに笑った。

　会見が行われたのは、東日本大震災が発生した3月11日。戸塚は「10年という節目ですが、いろんな乗り越えなければならないことがある。風化させないということ、忘れてはいけないこと、そこに対して、自分なりにできる形で寄り添っていけたら」と心境を語り、主演舞台の開幕へ向け「僕たちにできることは、ステージの上で表現して、少しでも元気や勇気を届けられたらいい。頑張っていきたいと思います」と、意気込みを語った。

　本作は、12日に新橋演舞場で初日を迎え、東京公演は21日が千穐楽。27日に愛知県の日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール、30日に福岡県の久留米シティプラザ ザ・グランドホール、4月3日から11日まで大阪府の大阪松竹座で上演される。