塾講師芸人が挑むR-1グランプリ決勝 獨協大学卒業の寺田寛明「1発で頂点を」

ピン芸人の頂点を決めるお笑い賞レース「R-1グランプリ2021」で、新たなチャンピオンが誕生しようとしている(3月7日にカンテレ・フジテレビ系全国ネットで午後7時から生放送、一部地域を除く)。今年は「参加資格が芸歴10年以内」などルール変更があり、すでに決勝進出を決めたメンバーは、9人中8人が初の決勝とフレッシュな顔ぶれに。そんな中でENCOUNT編集部が注目したのは、マセキ芸能社所属の寺田寛明(30)。現役塾講師でアイドルオタクという彼の素顔に迫る単独インタビューの前編では、お笑いの道へ進んだきっかけ、R-1決勝戦に賭ける思いを聞いた。

「R-1グランプリ2021」決勝戦に臨む寺田寛明【写真:ENCOUNT編集部】
「R-1グランプリ2021」決勝戦に臨む寺田寛明【写真:ENCOUNT編集部】

R-1グランプリ2021ファイナリスト・寺田寛明インタビュー<前編>

 ピン芸人の頂点を決めるお笑い賞レース「R-1グランプリ2021」で、新たなチャンピオンが誕生しようとしている(3月7日にカンテレ・フジテレビ系全国ネットで午後7時から生放送、一部地域を除く)。今年は「参加資格が芸歴10年以内」などルール変更があり、すでに決勝進出を決めたメンバーは、9人中8人が初の決勝とフレッシュな顔ぶれに。そんな中でENCOUNT編集部が注目したのは、マセキ芸能社所属の寺田寛明(30)。現役塾講師でアイドルオタクという彼の素顔に迫る単独インタビューの前編では、お笑いの道へ進んだきっかけ、R-1決勝戦に賭ける思いを聞いた。(取材・構成=イシイヒデキ)

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――お笑い、芸人に興味を持ったのはいつ頃ですか。

「芸人は、だいたい誰かに憧れて、芸人の道へ進むと思うのですが、僕はたぶんお笑い芸人で1人だけなんですけど、嘉門タツオさんに憧れて、お笑いに興味を持ちました。小学校にあがる前、兄が嘉門さんのCDを借りてきて、それをずっと聞いて笑っていました。その後、『爆笑オンエアバトル』(NHK)などを見始めた感じです」

――劇場などには足を運んでいましたか。

「初めて劇場に行ったのは、浅草東洋館のお笑いライブでした。そのライブにバカリズムさんが出ていて、ビデオデッキのネタをしていたのですが、本当に息ができなくなるくらい笑って、そこからはバカリズムさんの単独ライブは欠かさず通って、DVDも全部買いました。マセキ芸能社に入ったのも、バカリズムさんの影響ですね」

――芸人活動をはじめたきっかけは。

「東京アナウンス学院さんが主催している高校生向けのお笑いイベントがあり、高校2年生の時に出させていただきました。高校生だと、M-1甲子園で初舞台を経験する人が多いのですが、当時、僕はお笑い好きな友達がいなかったので、ピンで出られるイベントを探して、アナ学のイベントに出たという感じです。そこから、高校、大学と学生お笑いを経験して、そのままプロの道へ進みました」

――獨協大学法学部卒業ということですが、ご両親はお笑いの道へ進むことは、反対しませんでしたか。

「基本的には反対でしたね。そもそも、僕が子どもの頃から、前に出るタイプではなかったので、向いていないとは思われていました。自分でも向いていないと思いつつ、でも好きなことなのでお笑いの道へ進みたいなと。高校卒業後、すぐお笑いをやりたかったのですが、親に『大学は出なさい!』と言われ、大学には行くことにしました」

――今も反対されていますか。

「毎日、高校に行くのが嫌で、僕が無の顔で学校に通っている時期があったのですが、親はそんなことになるくらいなら、好きなことをさせたほうがいいという感じだったのか、あきらめの時期に入ったというか。ようやく最近、テレビに出るようになり、こうしてR-1で準決勝や決勝へ進めるようになってからは、応援してくれるようになりました」

――現役塾講師芸人ということですが、塾講師のアルバイトを始めた経緯は。

「中学1年生の時から通っていた塾で講師をやらせていただいていて、地元の個人塾なんですが、僕も中学から高校まで6年通って、そのまま働いている感じです。高校卒業からずっと働いているので、今の塾に人生の半分以上います(笑)」

――寺田さんのフリップ芸は、授業のようなスタイルですよね。

「今のスタイル、ネタの内容を塾の勉強っぽくするというのは、マネジャーさんのアドバイスで始めました。衣装も私服で出ていた時期もあったのですが、それも衣装をちゃんと作ろうと言っていただいて、スーツに変えました。塾のような見せ方、先生っぽい見た目になったことで受けは変わったと感じています」

――生徒さんは寺田さんが芸人をしていることはご存じなのでしょうか。

「全部、バレています(笑)。R-1決勝進出が決まったのは、受験シーズンで、1、2年生は期末試験を控える時期でしたが、中高生も認知している大会なので、みんな喜んでくれましたね」

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