額に血をにじませながら酒を飲む まるでVシネマのようなデスマッチ戦士

コワモテなプロレスラーは多いが、大日本プロレスの誇るデスマッチファイター「黒天使」沼澤邪鬼は一、二を争うド迫力だ。

リング上では見た目通りのド迫力ファイトを披露する沼澤邪鬼【撮影:柴田惣一】
リング上では見た目通りのド迫力ファイトを披露する沼澤邪鬼【撮影:柴田惣一】

ペイントの下の素顔は優しい限り 「黒天使」の異名を誇るプロレスラー

 コワモテなプロレスラーは多いが、大日本プロレスの誇るデスマッチファイター「黒天使」沼澤邪鬼は一、二を争うド迫力だ。

 西村修が「しかし、怖い顔していますね」と、ぶしつけに言った時「ああ、はい。ええ、まあ……」と照れたように、微笑したのが忘れられない。

 実は温和で優しい性格なのだが、知らなかったら怖い。オデコの傷、目つきも鋭い。会場ではもちろんだが、町でも出会うと近寄りがたい。

 お酒を飲むと血行が良くなって、額から血がにじんでくる。血をにじませてニコニコしながら、飲む男。まるでかつてのVシネマ。なかなかの衝撃的シーンだ。

 お母さんは看護師。「息子が傷だらけ、血だらけになっても、笑っている」とコボす。お仕事柄、肝の据わった母上なのだろう。

 ある会場で、ペイント姿のまま関係者と談笑していた時、赤ちゃんを抱っこした女性がいた。赤ちゃんが沼澤を目にして半泣きになり、お母さんの胸に顔をうずめていた。

 ところが、気になるのかまた振り返って沼澤を見る。でも、やっぱり怖い。またまた半泣き。それを何度も何度も繰り返していた。

 気づかないふりの沼澤だったが「小さい赤ちゃんはまだいい。2、3歳になると号泣されてしまう」と苦笑していた。

 沼澤と電車に同乗した時、混んだ車内だったのに、蜘蛛の子を散らしたように周りに隙間ができ、余裕で広々と座れた。

 知人がしつこい外国人にナンパされた時、沼澤と一緒に撮った写真を「これが私の彼氏」と取り出すと、「オーマイガー!」を連発し、退散したという。

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