ヤンシナ大賞に妹が兄の子を産む意欲作 センシティブな題材も「フィクションだからこそ」

「第32回フジテレビヤングシナリオ大賞」を受賞した的場友見がオンライン取材に応じ、受賞作「サロガシー」誕生の経緯とドラマ制作の現場ついて語った。

「サロガシー」で「第32回フジテレビヤングシナリオ大賞」を受賞した的場友見【写真:ENCOUNT編集部】
「サロガシー」で「第32回フジテレビヤングシナリオ大賞」を受賞した的場友見【写真:ENCOUNT編集部】

「東京ラブストーリー」「逃げ恥」などの人気脚本家を輩出した登竜門

「第32回フジテレビヤングシナリオ大賞」を受賞した的場友見がオンライン取材に応じ、受賞作「サロガシー」誕生の経緯とドラマ制作の現場ついて語った。

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ヤングシナリオ大賞は新鋭脚本家の登竜門。第1回大賞には「東京ラブストーリー」の坂元裕二、第2回大賞に「101回目のプロポーズ」の野島伸司、第22回大賞には「逃げるは恥だが役に立つ」の野木亜紀子など、これまで多くの人気脚本家を輩出してきた。

今回大賞に輝いた「サロガシー」は、ゲイの兄のために妹が代理母(=サロガシー)として妊娠出産を決意するという物語。代理出産、LGBTなどセンシティブなテーマに触れつつ、誰もが共感できるようなマイノリティーの姿を描き出している意欲作だ。本作で脚本家デビューを果たした的場は、本職コピーライターの39歳。受賞作はわずか2日で書き上げた。

「ゲイの友人と食事をしていて、自分にはもう結婚や子育てといったライフイベントは何もないと話していて、海外ではサロガシーという形で子どもを持てるという話を聞いた。よく、セクシャルマイノリティーはかわいそうと言われるが、本当にそうなのか。マイノリティーはかわいそうで、ストレートは幸せという固定概念を崩したくてこの作品を作りました」と執筆の経緯を語った。

すでに撮影も進んでおり「頭の中をトレースされたように、そのまま再現されていて感動しました。尺の都合で削ったシーンもありますが、私は全然抵抗なく、むしろ監督や演出家の先生が思い入れが強くて。それだけ深く読んでくれてるんだと、日々のやり取りの中でも小さな感動がありました」と現場でのやり取りを明かす。

「最近の若者はSNSで関わる人の範囲が広いから、理解と共感の幅が広いという話を聞いて、それこそ地上波が担うべき役割だなと。サロガシーって、ノンフィクションだと絶対批判を受ける対象が出てしまう。フィクションだからこそ、こういう選択をせざるを得ない人もいるということを伝えたい」

今年第33回を迎えるヤングシナリオ大賞では、現在応募作品を募集中(3月末日締切)。詳しい応募要項や受賞作品などは公式HPまで。

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