幕末に恋をするのは今とどう違うのか…22歳新進女優が手塚治虫の名作舞台で考えたこと

毎日、浴衣姿で稽古をしているという日比美思【写真:ENCOUNT編集部】
毎日、浴衣姿で稽古をしているという日比美思【写真:ENCOUNT編集部】

息抜きは家族でコーヒー・リキュールを飲むこと…仲良しの母に「観に来てほしい」

 稽古は2月上旬から。PCR検査や消毒、マスク着用など徹底したコロナ対策をしながら、3月5日の初日に向け、ラストスパート中だ。「毎日、浴衣姿でお稽古をしています。浴衣は今まで自分では着たことはなかったので、着られるようになったことがすごくうれしい。小股でいなくちゃいけない、内股で歩かないといけないし、袖のたもとも気をつけないといけない。最初はちょっと苦戦しましたが、必死に慣れなきゃ、って。けいこ中もマスクをつけたままというのはもどかしいですが、大阪の千穐楽まで駆け抜けたいです」。

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 ソーシャル・ディスタンスを取りながらも、共演者との心の距離は大切にしている。「共演者の皆様と、たわいもないお話をしたり、コミュニケーションをちゃんと大切にしたいなあと思っています。大先輩の方々ばかりで、緊張して声かけられなかったりするんですけども。(奥医師・多紀誠斎役の)近江谷太朗さんから『さっきの間はちょっと詰めた方がいいかも』とお声がけしていただきました。やり直してみたら、終わってすぐに来てくださって、『良かったと思うけど、(演じる方は)大丈夫だった?』と聞いてくださった。本当にぜいたくな稽古場だなと思いました」。

 目下、ほかの仕事もあって、多忙な日々を過ごしているそうだが、息抜きは家族でおいしいコーヒー・リキュールを飲むことだという。「最近はできていないんです。実家暮らしで、家族とは仲いいです。お母さんとは映画を観に行ったり、水族館、一緒に散歩したり。『デートコースみたいだね』って話しています。前には映画の舞台あいさつに見に来てくれて、帰りに合流して一緒に帰ったり。今回の舞台ですか? 初めての時代劇だから観に来てほしいですね」。

 09年、芸能活動を始め、Dream5として活躍。17年以降、女優業を本格化させた。「気がつけば、芸能生活十数年。でも、役者としてはまだ経験は浅いです。アーティストと役者はまったく別の種類のお仕事だと感じています。アーティストの時はレコーディング、ライブがあって、CDを出してとスケジュールが詰まっていました。年齢も若かったので、本当に駆け抜けるという感じだったのですが、役者は作品と作品の間に休みもあって、考える時間もあって、新鮮。舞台も映画もドラマも大好きなので、いろんな引き出しが増えるようにいろんな作品に出演したいなと思っています」と意気込む。時代の転換期を描いた名作舞台が、日比のターニングポイントとなりそうだ。

□日比美思(ひび・みこと)1998年9月20日、神奈川県出身。2009年、NHK教育「天才てれびくんMAX」が開催したMTK全国オーディションに合格し、Dream5のボーカルメンバーとしてメジャーデビュー。13年には「PIRATES OF THE DESERT」で舞台初出演。16年にDream5活動終了後は女優としての活動を本格化、17年、「マジで航海してます。」でドラマ初出演後、「さくらの親子丼2」「3年A組-今から皆さんは、人質です-」「真夏の少年~19452020」など話題作に出演している。167センチ、特技:ギター・カメラ・絵を描くこと。

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