「梨泰院クラス」ロケ地の今 商店街空室率は30% 地元「頑張れ梨泰院」の横断幕

韓国のケーブルテレビ局JTBCで昨年1月から放送されて高視聴率を獲得した連続ドラマ「梨泰院クラス」(イテウォンクラス)。韓国での放送終了と同時にNetflixで配信されて世界中で人気となり、日本でも昨年春から大ブームとなった。舞台となった梨泰院はソウルの中心に位置する飲食激戦区で、外国人が大勢集まる、はやりのスポットとしても知られる。ドラマには梨泰院を象徴するハロウィンの熱狂ぶりやカフェ、居酒屋などホットな名所がたくさん登場したが、そんなロケ地は今、どうなっているのか。ソウル在住のメディアプロデューサー、文恵子氏に聞いた。

セロイがオープンしたタンバム1号店。昼間の店内はひっそりしていた【写真提供:文恵子氏】
セロイがオープンしたタンバム1号店。昼間の店内はひっそりしていた【写真提供:文恵子氏】

外国人観光客はまったく見当たらず全体的に苦しい状況

 韓国のケーブルテレビ局JTBCで昨年1月から放送されて高視聴率を獲得した連続ドラマ「梨泰院クラス」(イテウォンクラス)。韓国での放送終了と同時にNetflixで配信されて世界中で人気となり、日本でも昨年春から大ブームとなった。舞台となった梨泰院はソウルの中心に位置する飲食激戦区で、外国人が大勢集まる、はやりのスポットとしても知られる。ドラマには梨泰院を象徴するハロウィンの熱狂ぶりやカフェ、居酒屋などホットな名所がたくさん登場したが、そんなロケ地は今、どうなっているのか。ソウル在住のメディアプロデューサー、文恵子氏に聞いた。(取材・構成 鄭孝俊)

――韓国で「梨泰院クラス」が放送されて1年。新型コロナウィルス感染症のためドラマの舞台となった梨泰院の飲食店は大打撃を受けています。今の様子は?

「ソウルは最高気温が氷点下の日が続いていましたが、ここ数日は暖かくなったので梨泰院を散策してきました。その日は天気が良く若者がけっこう歩いていて営業している飲食店もある一方、完全撤退してテナント募集状態になっていたり、撤退はしていないものの休業中だったり、という3種類の状態。外国人観光客はまったく見当たらず全体的に苦しい状況に見えます」

――PCR検査とコロナによる営業規制はどうなっていますか?

「ソウルでは市内のあちこちに設営されている簡易検査所に行けば、症状や感染者との接触がなくても予約なしで無料でPCR検査が受けられます。旧正月の4連休が明けた15日に社会的距離を置く規制が首都圏で2.5段階(5段階中の4段階目)から2段階(同3段階目)に緩和され、飲食店の営業時間も1時間延長されて午後10時までOKとなりました。それもあってここ数日、外出する人が増えてはいます」

――コロナ後をにらんで、営業の再開準備着々といった感じはしますか?

「梨泰院に関してはまだそういう動きが見えないですね。観光客頼りなので海外往来ができないと厳しい。ただ、コロナで荒廃しているという感じではなく、思った以上に街はきれいでした」

――俳優パク・ソジュン演じる主人公パク・セロイが最初にオープンした居酒屋「タンバム」(韓国語で“甘い夜”という意味)は?

「もともとこのお店は“ソウルバム”という名前だったそうです。劇中での店名は“タンバム”で、今は韓国語で“焼けた夜”“焦げた夜”といった意味にもとれる店名になっています。韓国では『梨泰院クラス』の放送終了後すぐに同じJTBCで『ジャンルマンコメディー』というバラエティー番組が『梨泰院クラス』をパロディーにしていました。スンドゥブチゲが激マズという設定だったり、セロイに扮したコメディアンが大げさ過ぎるセロイの声まねをしたり。そのロケ動画を見ると当時すでに店名が変わっていることが分かります」

――店の中の様子は?

「昼間は完全に閉まっていました。夜のみ不定期で営業しているようで、予約サイトには『来店前に電話で確認してください』といった説明があります」

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