朝ドラで好演・中村蒼、「30代は不安」それでも向き合い続ける理由
「神様のカルテ」は「自分を信じることや、自分のことを大切に思ってくれる人が周りにいるんだということを認識させてくれる作品」
――不安だと思われる一番の原因は何でしょうか。
「作品に入ったりすると、素敵で才能あふれる方たちばかり。きっと年を重ねるごとに、ふるいにかけられていくと思うんです。そこに自分は残るのか? 網目からすり落ちていかないか?と不安です。僕はどうしても悪い方に目がいったり、ネガティブなものを描きがちなのですが、周りの方に『30歳まで続けられたことがすごいんだ』と言っていただき、ちゃんとポジティブなことにも目を向けていかないと感じています。でも、どうしてもなかなか不安になりがちというか、自信に満ちあふれているということは少ないです」
――それでもその不安に打ち勝ってこられたのはなぜですか。
「周りの皆さんのおかげです。自分と戦っていくのはもちろんですが、自分がいかに楽しむかを考えて挑戦するよりも、不安に感じている仕事に対しても、『これをやりきったら作品を見て楽しんでくれる人がいる』と思うことで振り切ってできているのかなと思っています」
――ファンの皆さんの存在も原動力なのですね。最後に、作品の見どころとファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
「僕が出る二夜は夫婦の愛や友だち同士の愛が軸になっています。どの職業も、なにが正解かは分からないと思うんです。でも、じゃあ何を信じて進んでいくかと言えば、『自分の良心に恥じないことが確かな報酬だ』という劇中のせりふのように、自分がその仕事に対して何を大切に持ってやるかというのが大事なことだと思います。
不安な空気が漂う中、なかなか希望を持ちにくい世の中になっていると思います。そんな中でも『神様のカルテ』は自分を信じることや、自分のことを大切に思ってくれる人が周りにいるんだということを認識させてくれる作品です。一番近くにいる大切な人に寄り添ったり、今まで気づくことができなかった小さな幸せにも気付いてもらえたらいいなと思います」