朝ドラで好演・中村蒼、「30代は不安」それでも向き合い続ける理由
朝ドラで好演、紅白出場も「『やったー!」』とはあまりなれなかった」
――3月4日で30歳の誕生日を迎える中村さんは、20代最後の年となった昨年、連続テレビ小説「エール」で主人公の幼なじみ・鉄男を好演し話題になりました。撮影現場で印象に残っていることを教えてください。
「1年以上撮影していたので、いろんなことがありました。“音楽の力”がいかにすごいかということに加え、今回多く出演していたミュージカルで活躍されている方たちの存在感や、何かを伝えるときのパワーが本当にすごいなと感じました」
――ミュージカル俳優さんとの共演で一番驚いたことは何でしたか。
「歌声にはすごく驚きました。歌が上手なのはもちろんですが、気持ちを乗せて歌うことがこんなにもすごいんだと……。もちろん、映画やミュージカルで見たことありましたが、隣で見たのは初めてだったので、圧倒されました」
――「エール」出演者の皆さんで昨年末の「NHK紅白歌合戦」にも出演されました。
「出ると聞いたときは、『やったー!』とはあまりなれなかったのが正直なところです。もちろんうれしい気持ちはあったのですが、その年に活躍した方々が1年の締めくくりで出る歴史のある番組。しかし一緒に出る人たちは窪田さんをはじめ百戦錬磨の方々。僕は劇中でも歌っていないですし、『自分が出ていいのか』という気持ちがありました」
――出演が終わった後、周囲の皆さんの反応はいかがでしたか。
「昨年の12月末ごろは長野県の松本で『神様のカルテ』の数日間のロケ中だったのですが、僕は練習しないといけなかったのでギターを持って行っていたんです。周りからすごく不思議がられたんですけど(笑)。でも『紅白なので練習しないといけなくて……』と言うのもどうなのかなと思ったので、『練習しないといけないことがあって』とハッキリとは言わずにいたんです。そういう方々も『見たよ!だから練習してたんだね』と言ってくださってうれしかったです」
3月4日に30歳の誕生日を迎える。20代は挑戦、30代は“不安”? その理由は
――中村さんにとって、20代はどんな10年間でしたか。
「楽しかったです。たくさんの方とご一緒して作品を作るということができたし、『いろんなことに挑戦したい』という気持ちでずっとやってきて、その分、舞台もやったり映画もドラマも、たくさん挑戦させてもらいました。紅白にも出させてもらえましたし、とても楽しい20代でしたね」
――これから迎える30代での目標や挑戦したいことを教えてください。
「30代は“不安”というのが正直なところです。『すごく楽しかった』『今まさに楽しい!』と言っている先輩たちみたいに自分は楽しめるかなって。不安は不安なんですが、何事に対しても楽しむ気持ちを忘れず、いろんなことに臨みたいです」