女子大生にして芥川賞作家・宇佐見りん氏「本当にいいんだろうか」受賞の心境を告白
第164回芥川賞・直木賞の贈呈式が都内ホテルで行われ、「推し、燃ゆ」で芥川賞を受賞した作家の宇佐見りん氏、「心淋し川」で直木賞を受賞した作家の西條奈加氏が出席した。宇佐見氏は今回の受賞作について「悔しい思いがある」とし、「自分の書くものに満足できたら晴れやかにご挨拶もできたのでしょうが、でもそれが書くことの楽しさでもあるんだろうなと思います」とあいさつした。
第164回芥川賞・直木賞の贈呈式で宇佐美氏はロングドレス姿で登場
第164回芥川賞・直木賞の贈呈式が都内ホテルで行われ、「推し、燃ゆ」で芥川賞を受賞した作家の宇佐見りん氏、「心淋し川」で直木賞を受賞した作家の西條奈加氏が出席した。宇佐見氏は今回の受賞作について「悔しい思いがある」とし、「自分の書くものに満足できたら晴れやかにご挨拶もできたのでしょうが、でもそれが書くことの楽しさでもあるんだろうなと思います」とあいさつした。
宇佐見氏は2019年に「かか」で第56回文藝賞を受賞してデビューし、同作品で三島由紀夫賞を最年少で受賞。現役大学生の顔も持つ21歳で、芥川賞受賞者では綿矢りさ、金原ひとみに次いで史上3番目の若さだ。
ロングドレス姿で登場した宇佐見氏は「今回、芥川賞という本当に大きな賞をいただいたとき、私の胸に最初にあったのは『本当にいいんだろうか』という気持ちでした」と受賞の知らせを聞いた際の心境を振り返った。
さらに「次に書きたいことはすでに決まっています」と言い、「3作目の原稿は私にとって一生にとっても大事なものになると思います。編集さんやお世話になった方、こうして後押ししてくださった芥川賞の選考委員の方々もそうですし、今までの3つの選考委員の方々、それから本を読んでくださる方々に早く届けたい。その一心です」と次回作への意欲も明かした。
選考委員を代表して祝辞を読んだ作家の山田詠美氏は「この賞が本当にあなたにとっておめでたいものになるかどうかはこの先何年、何十年経たなければ分からないことですが、『宇佐見りん』という作家を最短で世に知らしめるお手伝いができたのを選考委員の1人として光栄に思っています」と話した。