58歳の武藤敬司がGHC奪取 試合中に感じた三沢光晴さんの後押し

帝王・高山善廣に続く史上3人目の偉業

 58歳2か月での同王座奪取は、杉浦貴が持つ史上最年長記録47歳10か月を大幅に更新。GHC、IWGP、3冠ヘビーのメジャー3冠制覇は、帝王・高山善廣に続く史上3人目の偉業となった。

 そんな大記録にも、武藤は「疲れた。まるで事故に遭ったみたい。疲れた。ギリギリだよな」と「疲れた」を連呼。

 試合では自身も代名詞のムーンサルトを狙ったものの、未遂に終わった悔しさもにじませた。「反応しなかった。恐怖心なのか。キャリアなのか。幸い一発勝負(のフランケン)で決めることができた」と振り返った。

 疲労こんぱいで、今後の防衛ロードも見えない。

「頂上には登ったけど、まだ霧で視界が見えない。こうなったらボクシングみたいにタイトルマッチは年に1回、2回でいいんじゃないか」と逆提案した。

 ただ、そうは言いながらも、多くの取材陣に取り囲まれ、「なんだかんだ言ってレスラー冥利(みょうり)に尽きる」と喜びを隠せない様子だった。

 一方、敗れた潮崎は、リング上での武藤との握手を拒否。

「ああー!」と叫んで舞台裏に消えていった。

 潮崎と反対に、リング上で武藤とニラみ合ったのは若きエース・清宮海斗だった。

「ベルトを取り返すのは俺しかない」

 58歳の武藤はどう受け止めたか。いずれにせよ、箱舟のマットに新たな景色が誕生した。

次のページへ (3/3) 【写真】疲労困ぱいもオーラがにじむ武藤敬司、実際の写真
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