没後30年、今なお開高健が輝き続けるワケ…各界のファンが語り尽くした“開高”愛

作家・開高健を語り合うイベント「ビギナーズKAIKO!渋谷でまるごと開高健」が17日、東京・渋谷で行われた。

今も愛される開高健
今も愛される開高健

 作家・開高健を語り合うイベント「ビギナーズKAIKO!渋谷でまるごと開高健」が17日、東京・渋谷で行われた。

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 同イベントでは、今月で没後30年、来年12月には生誕90年を迎える開高氏を愛する各界のファンや関係者が熱く“開高”愛を語りあうトークセッションなどを開催。ほかにも食、酒、旅、釣りなどのブースが展示され、開高作品にちなんだオリジナルフードも提供された。一夜限りのものだったが、イベントは夜遅くまで大盛況だった。

 イベントに登壇したノンフィクション作家で冒険家の角幡唯介氏は「開高さんの『輝ける闇』は、戦争の中でいかに自分がどう生きるかをひたすら書いた話。あれを読んだ時、自分もどのように生きるかを見つけるのに必死だったから、すごく共感した」と語った。

 また、ライターの岡田悠氏は「旅は選択の連続で面白いものを選ぼうとするが、どうしても、面倒くさいことがある。でも、開高さんは、なんでも食べるし、面白いと思ったことを全部やる。そういう姿勢に後押しされています」と話した。

 サントリー・モルツのCM「うまいんだな、これがっ」などのコピーで知られるコピーライターの一倉宏氏は「開高さんは本当にロマンチストで、ヒリヒリするような繊細さを持った方だった」と振り返った。

 開高氏は芥川賞を受賞した一方で、ベトナム戦争の最前線にまで赴いたり、“釣り師”として世界中の魚たちに挑んだりした。そんな知と好奇心の巨人のそばには、いつも“酒と美食”があったという。「パニック・裸の王様」「夏の闇」「オーパ!!」などの小説やルポのほか、「悠々と急げ」をはじめとする名言の数々など、“開高健の世界”は今なお色褪せていなかった。

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