【気になる人】MV「僕が君の耳になる」が1000万回再生のパフォーマンスユニット「HANDSIGN」とは?

聞こえない人に手話が通じたら楽しくなったというTATSUさん【写真:山口比佐夫】
聞こえない人に手話が通じたら楽しくなったというTATSUさん【写真:山口比佐夫】

手話を「カッコイイ!」という気持ちで始めた

――04年放送の妻夫木聡さんと柴咲コウさん主演の「オレンジデイズ」に感動した、とのことですが、手話はどのように身につけたのですか。
TATSU「最初は本を使って見よう見まねで。それなりに厚みもあって値段もする本だったので、一瞬、買うのに躊躇したんですけど『これやらないと始まらない!』と思って買いました(笑)」
SHINGO「今思うと、その頃の手話ダンスはほとんど手話になってなかった(笑)」
TATSU「『カッコイイ!』と思って始めただけだったので」
SHINGO「でも、ライブで初披露したら『感動した!』って反応があって、可能性を感じて続けてきました」

――本格的に始めたのはいつ頃ですか?

SHINGO「09年と10年に米NYの『アポロ・シアター』のコンテスト『アマチュアナイト』で何度か優勝を重ね、『アマチュアナイト』公認パフォーマーとして、日本のメディアに取り上げられた後ですね。朝の情報番組『とくダネ!』(フジテレビ系)に出たら、聞こえない人たちがライブに来てくれるようになって」
TATSU「僕らが手話をできるんだと思って、手話でワーッと話しかけられたんです。でも、僕らは手話ダンスの振り付けを丸覚えしていただけだったので、手話をできるわけじゃないから、最初は話しかけられないよう逃げていました。そのうち、『いつまで逃げてるんだ!?』と思って、知り合いに紹介された手話サークルに通い始めました」
SHINGO「あと、地元・平塚のろう学校の体育の授業で手話をしながらダンスを教えて、聞こえない子どもたちと触れ合ったことでも意識が変わりましたね」
TATSU「覚えた手話で、聞こえない人に『すみません、手話できません』って伝えた時、手話を使ってるだけで喜んでくれて。それに驚いたのと、通じる楽しさを感じたんです。今も2人で手話サークルとか手話の塾とかに通っています」
SHINGO「今では日常会話ぐらいはできるようになりました。手話って入り口は入りやすいのに、意外と奥が深くて難しいんですよ」
TATSU「手話を使ったダンスの振り付けは、聞こえない人にスカイプなどで、手話で相談しながら作っています」

――手話に興味をもつ人も増えているとか。

TATSU「興味をもつ入り口は、いろいろあっていいと思うんです。福祉目的でも、僕らみたいにエンタテインメントとしてでも、聞こえない人とのコミュニケーションのためでも。僕らの活動がその入り口のひとつになっていたらうれしいなと思います」
SHINGO「実際に、『僕が君の耳になる』のMVを見て、『手話を習い始めました』という人や『福祉の仕事に就く決心をした』という子らもいるんですよ」

次のページへ (3/4) 「HANDSIGN」は小学校の同級生で作ったユニット
1 2 3 4
あなたの“気になる”を教えてください