藤波辰爾と長州力氏が禁断のトークショー「こいつやばい」と思った危険な選手が一致

プロレスラーの藤波辰爾と今年6月に引退した長州力氏が13日、都内でトークショーを行った。

同じ舞台に立った藤波(左)と長州氏
同じ舞台に立った藤波(左)と長州氏

"昭和のレジェンド"炎の飛龍と革命戦士が本音全開のトーク

 プロレスラーの藤波辰爾と今年6月に引退した長州力氏が13日、都内でトークショーを行った。

 夢の組み合わせとあって、チケットは200枚が完売。関西など遠方から駆け付けたファンも多く、ユリオカ超特QのMCのもと、昭和プロレスの熱気がよみがえったような館内で1980年代を中心に数々のエピソードを披露した。

 まずは互いの第一印象から。藤波は新日本プロレスに入門した当時の長州氏について「覚えてますよ。初めて大型新人というか、通常の若い選手とは別格に見ていた。ライバルというより、別な部分で見てましたね」と振り返った。同時に新日本にとっては貴重な戦力として捉えていたといい、「1人でも仲間が増えるというのと、新日本プロレスがだんだん形ができていくという嬉しさのほうが大きかった」と打ち明けた。
 
 一方、長州氏も藤波との初対面を驚きを交えて回顧する。「最初道場で会ったでしょ。その時、体と身体能力は他の選手とは全然違ってましたよね。見たらだいたい分かる。すっごいなっていう。そんなに大きくなかった。ただ、体見た時、すごいなと。体がすごいでき上がっているんですよね。細いんだけど、無駄な肉が一切なかった」と語った。

 ともに海外で武者修行し、藤波のヘビー級転向を経て、プロレス界を代表するライバル関係に発展する。82年に「かませ犬」発言で一躍名をとどろかせた長州氏は「藤波さんはびっくりしたでしょうね」。抗争はリング外に発展し、ファンも真っ二つになるほどの熱狂を生み出した。そして、そこでも藤波、長州氏の個性が出ていた。「イケイケの長州ファンでしょ。耐えているのが藤波ファン」と藤波は苦笑。一騎打ちは”名勝負数え歌”として空前の人気カードとなった。長州氏が「時代の後押しっていうのはありましたよね」と言えば、藤波も「格闘技というものの一番大事な部分がつかめたというのはある」とレスラーとしての自信をつかむきっかけになったと主張した。

 85年、長州氏は全日本プロレスを主戦場にする。新日本は興行的に大ピンチに陥るが、藤波は「長州はいつか絶対新日本に戻ってくるというのはあった。彼のイライラ感は長続きしないというボクのカン」と2年後のUターンを確信していたと指摘。長州が「それは間違っていないです」と返すと、爆笑に包まれた。

 藤波はアントニオ猪木氏に直談判する”飛龍革命”をぶち上げ、88年8月8日には横浜文化体育館で猪木氏との60分フルタイムドローの死闘を繰り広げた。故ジャンボ鶴田さんとの60分ドローの経験があった長州だが、「試合に没頭してワーッて。(内容が)よかったですね」とまるでファンのような興奮状態だったことを告白した。藤波は「空調もないし、クーラーもない。お客さん大変だったろうね。ただ、あの時、ボクは30分過ぎて、40分過ぎて、反対に心地いいというか、猪木さんを独り占めできるわけでしょ。このまま時間は流れて欲しいなという気持ちもあった」と不思議な精神状態だったことを吐露した。試合後、猪木氏を肩車した長州氏は「だからリングに上がったのかな。うらやましさというのはあったかもしれない」と藤波の心理を感じ取っていたことを示唆した。猛暑で体が極限まで消耗した藤波は「汚い話だけど、横浜の後、1日半ぐらいおしっこが出なかった」と証言した。

 さらに、トークは「試合で誰がしんどかったか」というテーマに突入。長州氏が挙げたのは意外な選手だった。「ボクはすぐ出ますよ。坂口(征二)さん。もうこればっかりは……。疲れが、2度とやりたくないって毎回思いましたね。『もうやめてくれよ』っていうくらい。足強いですよ。リングの中に根が張ったみたい。アンドレ? アンドレは意外とスムーズさがありましたよね」。

 一方、外国人レスラーで危険な選手を問われると、「こいつやばいと思ったのは、ルスカ。普段は穏やかで面白い。ただ、怖さは、こいつはダメだ。要するに(ボクが)受け身が取れない。受け身が取れないというのは最悪ですよね。人を殺めるというのはルスカは簡単にやれるでしょうね」と長州氏。これには藤波も「あれは強かった。練習する時、我々の投げとは高さも違うし、早さも違う。本来、オリンピック選手というのはああいうものなんですけどね」とうなずいた。

 最後は猪木氏についておおいに語り、終了のゴングが鳴らされた。

 イベントを主催したチームフルスイング関係者は大盛況に満足げ。1月18日には谷津嘉章氏、25日には前田日明氏のイベントも予定している。

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