歌舞伎町のホストクラブ、毎月赤字300万も時短要請遵守「やましいことはやってない」
緊急事態宣言が発出されて2週間、小池百合子都知事から「夜の街」と名指しでやり玉に挙げられた新宿・歌舞伎町でも、各店舗が試行錯誤の努力を続けている。深夜営業を続ける店舗も多いなか、歌舞伎町で唯一、4度の時短要請をすべて遵守しているホストクラブ「LEGEND愛」に、その理由を聞いた。
コロナ禍に老舗から独立、平均客層60歳の“大人の社交クラブ”
緊急事態宣言が発出されて2週間、小池百合子都知事から「夜の街」と名指しでやり玉に挙げられた新宿・歌舞伎町でも、各店舗が試行錯誤の努力を続けている。深夜営業を続ける店舗も多いなか、歌舞伎町で唯一、4度の時短要請をすべて遵守しているホストクラブ「LEGEND愛」に、その理由を聞いた。
金一色で染められた豪華絢爛な内装と、換気のため全開にされた大きな窓から吹き込む1月の寒風。午後2時、「LEGEND愛」を訪れると妙齢の男女が激しい社交ダンスを披露していた。「寒いでしょ。でも、この寒さがいい。寒ければ踊ればいいんです」。ダンスを終えた桐生武代表取締役社長は、そういってスーツの襟を正す。
現在、営業は完全予約制。予約が入った際には来店人数を絞り、午後2時から8時まで店を開ける。酒類の提供は午後7時まで。昨年8月のオープン以来、都の時短要請を徹底して遵守する、歌舞伎町では珍しいタイプのホストクラブだ。
桐生社長、そして代表ホストの美島光司氏以下16人のスタッフは全員、「ホスト界の帝王」と呼ばれた実業家、故・愛田武歌舞伎町ホストクラブ協力会初代会長の老舗ホストクラブ「愛本店」の出身。ビルの老朽化による建て替え工事を機に、若年層向けの愛本店とたもとを分かち、独立する形で新店舗をオープンした。
「うちはコールで大騒ぎするホストクラブとは違って、古き良き大人の社交クラブがコンセプト。お客様も平均年齢で60歳、中には80代の方もいる。自分も母を若くして肺炎で亡くしたので、感染対策には万全を期して営業しております」